福島県教育センター所報 第4号(S46/1971.12) -018/025page

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Authority の機能と混同して認識しているのであろうか。

閑話休題。教育の機能は永遠に人間的情念の きはん から脱出することはないであろう。機械は従属的,補助的手段であって目的ではない。教育の本質と機能に経営学上の諸原則を無批判的に導入することは,ただ人間性を冒とくと荒廃に導くのみであろう。教育に「無人管理」は出現しないであろう。


教育用語解説

CLI(Computer Led Instruction)

第1研修部  嶋田 二郎

集団用CAIなどともいわれるもので,一斉授業をコンピューターにコントロールさせようとするものである。すなわち,人間教師に代ってコンピューターによって授業を進行させようとするもので,一斉授業の完全自動化をはかるものである。

当教育センターに施設された集団用ティーチング・システムはこのCLIにあたるものである。当教育センターの集団用ティーチング・システムによって,CLIの構成と機能の概要を説明する。

1. 構成

このシステムは,次の系統図のように構成されている。

図1システム系統図
図1システム系統図

2. 機能

このシステムは,全自動制御装置の制御信号によって教材提示装置やアナライザーをコントロールし,教材提示―反応分析―フィードバックというサイクルの連続を展開させ,オートマチックに授業を進行させる。

制御信号記録器は磁気テープに制御信号を記録するもので,信号の種類およびコード記号は表1のとおリである。

全自動制御装置は,制御信号を記録した磁気テープをテープレコーダーで再生し,コード信号を読み取り,その信号によってシステムの機器を駆動させる。

表1
番号 コード記号 機能
番号 コード記号 機能
1 00001 正答1 15 01111 スライドOFF
2 00010 正答2 16 10000 スライド歩進
3 00011 正答3 17 10001 フレーム・エンド
4 00100 正答4 18 10010 エンド(授業終了)
5 00101 正答5 19 10011 8 m ⁄mトーキ・スタート
6 00110 思考時間1 20 10100 8 m ⁄mトーキ・ストップ
7 00111 思考時間2 21 10101 16 m ⁄mトーキ・スタート
8 01000 思考時間3 22 10110 16 m ⁄mトーキ・ストップ
9 01001 通過率1 23 11001 テロップ歩進
10 01010 通過率2 24 11000 テロップ終了
11 01011 通過率3 25 11010 スクリーン上昇
12 01100 VTRスタート 26 11011 スクリーン降下
13 01101 VTRストップ 27 11111 テープ・ストップ
14 01110 スライドON


制御テープの作成は図2のフロー一チャートの手順による。磁気テープを用い1チャンネルを音声トラックに,3チャンネルを制御信号トラックに当てる。したがって,テロップやスライドまたは8mmフィルム(サイレント)のような音声を伴わない教材を利用するときは,図2のようにテロップやスライドまたは8mmフィルムの映像に関する説明のためのナレーションを3チャンネルに録音し映像と音声が同期するようにしている。

図2
図2


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