福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -004/025page
[1] 調査対象と標本校
小学校6年,中学校2年,高校2年男女それぞれ250名計500名を基準とする。また地域性を考慮して都市部と農村部とが,ほぼ同数になるよう抽出する。全部で1,613名の調査人員となる。
[2.] 調査方法と項目
質問紙による調査を行なう。調査票は,小・中・高の3種類にわかれているが,発達段階による差異をとらえるために,できるだけ共通した内容を多くしたが,その中から2,3の点をあげて参考に供しよう。
2. 子どもたちの日常生活ですきなこと
現在の都市は高層住宅が建ちならび,自動車の騒音とスモックとがみられるようになってきたし,驚くべき変化が見られるようである。都市だけでなく農村においても程度の差こそあれ,少しずつ都市化されていく。この激しい生活の変化をぬきにして子どもの生活を考えるわけにはいかない。
この中で生活している子どもの実態にスポットをあてて,日常生活ですきなことは何か。―広く現代のもののみ方,考え方,行動のし方を探りだそうとした。
そのうえで子どもをもつ親や教師としてどのような努力が必要であるかの基礎資料をえようとした。
この調査の結果捉えられた行動は,テレビ・ラジオを聞く,読書,遊び,自分のこのみのことをする,スポーツ,なにもしない,その他とし,その割合をだした。それによって,子どもの生活実態を客観的につかむことができたように思う。
小学校,中学校,高校ともに最もすきなことは,自分のこのみのことをするのが,学年が進むにつれて多くなっている。それぞれ自由に行動しやすい状態が学年が進むにつれてでている。
テレビ,ラジオを聞くが小学校男子より女子の方が多く,特に農村の女子が男子に比して倍になっている。都市の男・女子とも農村にくらべ,自分のすきなことをする者が増えている。そのかわり読書をする者が都市にくらべ農村は少なくなっている。環境にもよるであろうが,最近の子どもたちは落ち着いて本を読まないという世評にたがわず,学年が進んでも10%前後である。
男子にくらべ女子がやや多いがその差はあまり増加しているとはいえない。読書の必要性を考えさせられる。
その他の項も,男・女子の学年差をみると,スタイルとしては,ほぼ同じ傾向であるが,違っているのは,スポーツをする者の割合が,学年が進むにつれて中学校を除き少なくなることである。男・女子については,なにもしない割合が学年が進むにつれて大きくなる。遊びは低学牢ほどその占める割合が大きいし,なにもしない者が,上学年になるにつけ多くなリ,心のゆとリをもってまったく自由な個人とし,責任をもつことなく一定の時間を気安くすごすことが,現代の世に必要なのかという点も考えさせられる。
3. 今の社会のみかた
テレビ,コマーシャルの大量に多い生活の中で,子どもたちは,この世の中をどのようにとらえているか。
すみよい世の中,どちらともいえない,わるいところが多い,どう考えたらよいかわからない,その他の5点について問いただしたところ,男・女子とも10%前後がすみよいと答えている。高校の男子が23%と上昇している。どちらともいえないが,男・女子半数以上が,小・