福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -006/025page

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実験学校の紹介

教育活動の効果的・効率的な実践のための教授組織

―福島市立下川崎小学校の部―

研究・相談部  内藤 善次

(全景)
福島市立下川崎小学校全景

1. 学校経営方針

(1) 三層構造での学校経営により機能発揮をはかる。

(2) 弾力的な学級集団の再編成により個別化,集団化をはかる。(特に小規模校における合併集団)

(3) 教師の計画的協力体制による本質的な授業の展開をはかる。

2. 職員活動組織の概要

(1) 協力体制としての学年団の組織

学校経営組織において,教授組織と事務組織と運営組織の統制化をはかる。その推進母体を学年団におき,協力教授組織を中心として,分掌校務も効率的に企画,調整できるようにする。

(2) 単元指導計画の学年団教師による共同作成

実際授業のための授業案を単元指導計画とし,近接学年(1年,2年),(3年,4年),(5年,6年)による学年団教師で共同作成する。そのために学年団の職員組織を分業・協業が可能であるように各教師の特性を考慮し,じゅうぶん発揮できるよう配慮する。

(3) 単位集団(学級)の再編成

教科の性質,また教材の内容に応じ,子どもの発達段階に即して,現在の既成学級をあわせ,あるいは分割するなど計画的・意図的に行なう。
特に本校は,1学級の構成児童が20人以下の学級が多いため,教科指導,生徒指導の本質的な授業の展開には,学級集団の再編成が必要になる。

(4) 協力体制による授業の展開

効果的な授業を展開し,教育機器の導入を可能にするため,TL,ST,(RT)といつた役割で協力できるような体制を組織化する。その役割は固定化しないで弾力的な役割交代で機能発揮を可能にするとともに,チームワークをはかる。

本年度は,研究第1年次のため,低・中学年団は体育科の合併授業,高学年団は社会科の複数授業とし,その教科の本質にせまるため,積極的に教師の意識の改善と組織化を進めてきた,第2年次には,これを基盤として教科を増加し,小規模少人数学級校における本質的な授業展開のあり方を学校経営の改善をとおして究明したい。

3. 学校経営組織改善の方向

学校経営の効果的・効率的な経営をめざして,教授組織・事務組織,運営組織の一体化により,教育活動の集大成をはかる。
そのための視点をあげると次のようになる。

(1) 三層構造の機能化により,学校組織経営の一元化をはかる。

(2) 学年団の協力責任体制により,役割・分担意識を高める。

(3) 小規模校教師の内的秩序の体系化により,各自特性の発揮につとめる。

(4) 組織体としての協業・分業に充足感をもち,教育活動の集大成をはかる。

本年度の実施反省から,予想している学校組織ならびに経営は,昭和47年度,学校経営組織図のようである。

4. 実験教科とその取り扱い

低・中学年団においては,小規模少人数学級の集団性の問題から体育科をとりあげ,内容領域による一部合併授業とし,弾力的な集団配慮によって,個別的な取り扱いもする。高学年では,実情に即して社会科をとりあげ,教育機器の導入(教授・資料提示・発問の相互作用)による教育効果を期待しての一部複数授業とする。実施過程では,場の構成,各役割の主体性について配慮する。


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