福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -007/025page
教授組織を中心として,事務組織,運営組織の機能が相互作用によって発揮できるようにし,その経営は,学年団を基盤とし,体系的に協力活動を維持できるように配慮する。教授組織の機能は,教師の特性を生かした専門的な分業と,集団活動の構成員としての満足感に期待する協業とする。
(起稿 校長 石川 博,教頭 石崎俊一)5. 授業の実際
体育科合併授業(1・2学年2教師)による授業研究
研究授業者 TL渡辺綾子,ST千葉幸子(1) 研究のねらい
低学年における題材組み合わせによる協力教授方式
この学年においては,各種運動をとおして,調整力を養うとともに,運動のきまりを守って,安全に運動を行なう能力・態度を養うことをめざしている。そのためにはある程度の集団性を考えなければならない。本校のように少人数の学年においては,学年合併による授業をとり入れることにより,集団性を養い行動力を高めることが考えられる。研究のねらいを具体的にあげると次のようになる。
[1] 学年のわくをはずした集団の再編成による教授過程を確かめる。 [2] 段階的な教授過程と教師分担を確かめる。 (2) 題材名 高とび,ボール運動
(3) 目標
2学年目標を基準にして,1年生には程度面で配慮する。
領域 題材 体力・技能 態度 健康安全 体操 ・リズムに合わせて
・足うちとび・簡単な運動形式を素材として全身的、総令的に動けるようにさせる。
・いろいろな運動をすることによって、調整力を養う。(体力)・まじめに運動を行なう態度を養う。
・みんなで運動のしかたや器具の使い方などの簡単なきまりをつくリ、仲良く運動をしようとする態度を養う。・運動をする場所の危険物をとりのぞくことや、運動後に、からだを清潔にすることが、できようにさせる。 陸上 ・高とび ・片足や両足で踏み切って高くとぶことができるようにさせる。
・走っていって片足で踏み切り、高くとぶことができるようにさせる。
・跳力をのばす。
・調整力を養う。
・瞬発力を養う。・思いきってとぶことができるようにさせる。
・ふざけないで運動する態度を養う。
・順番を守ってとぶ態度を養う。
・交代してゴムをもつことができるようにさせる。
・きまりを守って運動する態度を養う。・とぶ場所の危険物をとりのぞき安全をたしかめてとぶ態度を養う。
・運動後、からだを清潔にする態度を養う。ボール運動 ・ボールけりあそび ・ころがってくるボールをけることに、なれさせる。
・移動してボールを足ではやくとめることになれさせる。・競争に負けても、すなおに認める態度を養う。
・ボールのうばい合いをしないで、簡単なきまりをつくって遊ぶ態度を養う。
・ボー一ルをたいせつに扱い、きめられた場所に返す態度を養う。・運動をする場所の小石や、危険物をとりのぞく態度を養う。
・運動後、手足を洗い、汗をふく態度を養う。