福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -009/025page
(8) 授業検証
低学年団体育科授業案 (2/4時) (昭和46年12月8日 水曜 3校時)
(1)題材名 高とび・ボールけりあそび (2)目標 (1) 助走し、片足でふみきって高くとぶことが、できるようにさせる。
(2) 対列フットボールのゲームが、できるようにさせる。 (3)準備 タンブリン、ゴムひも4本,旗8本、サッカーボール1こ (9) 考察
[1] 指導計画について
ア, 学年別による単位時間での授業では,準備面に時間がかかり3領域(体操,ボール運動,陸上運動)の内容構成がふじゅうぶんであったが,合併して行なうことにより容易になった。
イ, 領域の組み合わせ,時間配当は適当と思われた。 [2] 基調案について
内容の程度については,さらに研究を進めたい。
[3] 授業について
ア, 体操の領域を主運動に対する準備運動として取り扱ったことは,効果的であった。
イ, 教師の示範は,低学年の技術を理解させるのに効果的であった。特に2人組みで行なう内容は,2教師の示範指示により,一そう効果があがったように思われる。
ウ, 活動力において特に差のある児童に対しては,事前に配慮したが,その差はあまりみられなかった。
エ, 教師の一方的な技術面の指導にとらわれず,じょうずな児童の運動をみせたり,児童側から発見させたりしたことが,調整力をのばしたように思われる。
オ, 集団行動様式がまだ徹底していない,合図によって行動できるように訓練しなければならない。 [4] 児童の反応について
ア, 学年単位の普通授業と2学年の合併授業との比較結果は,下記のようであった。
・人数が多くなり,組み合わせがたくさんできて,ゲームが楽しい。(1・2年)
・いつもいっしょにやりたい。(1・2年)
・先生が2人いると楽しい。(1・2年)
・1年生に負けたくないと思った。(2年)
・高いだんがとべるからおもしろい。(1年)
・2年生に負けまいとがんばった。(1年)
・友だちのじょうずなところがみられる。(1年)
イ, これらの反応からもみられるように,児童ひとりひとりの主体性が高まり,効果的であったと思われる。 [5] 教師の協カ分担について
ア, 基調案による共通理解は,相互に特性が生かされ,計画に満足感がもたれた。
イ, 役割分担内容の具体化は,STの活動量も多くなり,ともに主体性がもたれた。
ウ, 協業・分業には充足感はもたれたが,統制という面で一方的になったのではないかと懸念がもたれた。今後の研究にまつことが多いので,ご批判,ご指導を頗いたい。