福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -017/025page
・中学校における物理,化学,地学関係
・小学校における生物関係
の内容をとりあげ,その研究の結果を研究報告書にまとめ各学校に配布する予定である。(6) 子どもの社会認識に関する分析的研究
子どもたちは,彼等の属する家庭,学校,地域など,共同生活の中で,さまざまな機会にふれて,彼等なりの社会認識を作りあげている。彼等が,どういう事象にふれ,それをどのように受けとめながら,社会認識を形成しつつあるかを明らかにし,児童・生徒の指導の基礎資料をうることを目的として,10月質問紙による調査を実施した。
調査内容は,社会認識に関する学校と家庭を中心にした人間関係に関する問題で,おもな項目は,「日常生活の感じ方」「今の社会のみ方,特徴」「性についての考え」「友好関係」「人生観」などである。これは,小学校6年生,中学校2年生,高校2年生を対象として調査する。
この結果は,報告書にまとめ各学校に配布する予定である。
2. 教育相談について
小・中・高校の児童・生徒を対象としての教育相談は教育センターとして発足と同時に新設された部門で,児童・生徒のしつけや教育に関する問題について相談に応じ,問題点の発見,診断,治療の方法などの助言,さらに,可能な範囲において直接治療指導をおこなう。また,学校における教育相談の運営その他に関する相談にも応ずる。ここで行なう相談の内容はつぎのとおりである。
1 子どもの問題についての相談
・身体・精神面 ノイローゼ,自閉症,夜尿症など
・知能・学業面 勉強ができないなど
・性格・行動面 学校ぎらい,内気,乱暴,非行など
・進路・適性面 就学,進学,適性検査など
・その他 しつけ,家庭教育,悩みなど
2 一般教育相談
・学校における諸検査の計画実施に関する相談
・地域・学校における教育相談の実施に関する相談
相談は,教育センターに来られて直接面接して行なわれても,あるいは,文書通信によってもよい。センターにこられるときは,電話,はがきなどによって相談したいことをあらかじめセンターに連絡してほしい。文書によるときは,返信料をそえていただくことになっている。
なお,相談の内容については,いっさい秘密を守ります。本年度の相談の内容および件数はつぎのとおりである。
相談内容 対象 人数 面接相談(知能・学業) 小・中学生 8人 〃 (性格・行動) 小中高校生 24 〃 (進路・適性) 中・高校生 7 〃 (教育一般) 小中高校教員 12 文書による相談 小中高校教員 15 電話による相談 一般父兄 7
なお,教育に関する研究の進め方など,教育一般に関する内容について地域を単位としての相談には出張による相談も行なうことになっている。3. 福島県教育史の刊行
昭和44年度より5か年計画で,わが国の教育と本県教育との関連の中で,本県教育の果たした役割,特殊性,教育実践の研究の状況を明らかにし,本県教育の振興に役立てることを目的として福島県教育史の刊行についての仕事を進めてきた。
本年度は,つぎのとおりの資料編と本巻第1巻を発刊する。
・福島県教育吏編さん資料 第5集
―教育関係例規―
・福島県教育史編さん資料 第6集
―昭和22,23年の例規―
・福島県教育史編さん資料 第9,10,11集合本
―学事年報集―
・福島県教育史 第1巻
―先近代,近代前期編―
4. 教育資料および普及に関する事業
教育資料室には,12,500冊の教育図書(本年度購入分2,500冊を含む)と各県の教育センター,研究所および県内の学校の研究報告書(紀要)など教育資料,3,200冊を蔵し,専門図書館としての機能をもつように年次計画によってその整備を行なっている。これらの教育資料は,来所し,閲覧室において,あるいは3週間の期限にて貸出しをし,多くの方々の活用をはかっている。本年度の貸出し件数は約350件であり,県内の先生方の活用をお勧めしたい。
また,学校,地域における教育実践,研究活動をより推進するため,教育センター所報の発刊(年5回)および,本県における課題の解決に資するため当センターでとりあげている研究の報告を研究の紀要にまとめ各学校に配布している。本年度発行予定の研究紀要はつぎのとおりである。
(1)学校経営改善に関する研究
(2)教授組織に関する研究
(3)学習指導に関する研究
(4)子どもの社会認識に関する研究