福島県教育センター所報 第5号(S47/1972.3) -023/025page

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断続12日間の短い研修ではあったが私にとっては非常に貴重な研修であったことをつけ加えたい。


福島市立福島第三小学校
           平田 二郎

昭和46年度の研修講座が,国語,社会,算数の各教科共に40名ずつ,計120名が県下より参加し,教育センターで全員宿泊の研修であり,センター開設後宿泊研修第1期生として8月3日より5日間,11月16日より5日間の前期・後期あわせて10日間であった。

研修内容は,各教科の基礎理論,効果的な指導法,その他専門的な内容について講義,演習,協議などによって研修をうけることができた。社会科に参加したので,もう一歩詳述すれば,教育課程の諸問題,教育研究法,教育工学,社会科の基礎的能力と態度,社会科教育研究法,地域観察の学習,歴史年表の取り扱い,現代教育学の課題,教授組織の改善,社会科の諸問題,教師と専門性等,バライティに富んだプログラムを構成して受講させていただいた。

○この間,科学的手法にもとづく教育研究法について講義を受け,研究問題との出合いから仮説設定,検証のしかた,検定のしかた,結論の導き方についての指導によって各自がそれぞれ問題と取り組み,後期までの間に実践をして持ち寄った。平素の教育研究とはいっても,主観的であったリ,自己流による研究の進め方をしてきているので大変な難問題であり,難きが故に尊い研修でもあった。

○また,教育工学の研修では,センターに施設された集団用テーチング・システムのCLIの実際の作動による講義は,教育の現代化,教育工学の進歩におどろきを感じ,教科書と口と黒板との教育よりの脱皮を心に強く打たれるものであった。

○宿泊研修1期生として,宿泊施設の完備した五月寮のこけらおとしをし,会津,浜通り,県南,県北のそれぞれの組み合わせによる部屋割で,互いに近況を語り,情報を交換し,親交を深め得たこと,また,夜間にまで係長以下所員の方々を招き,ひざを交えてのご指導を受けることができたことは喜びにたえないものであり,勤務時間以外にもかかわらず心よくご指導いただいたことに心より感謝申し上げなければならない。

○最後に,現代は科学技術の進歩によって絶えざる研修が不可欠の条件になってきている。この叫びに耳を大にして自己研修に励まなければならないが,自己研修でなし得ない共同研修の機会に恵まれたことに感謝し,研修で得たことを今後に生かしていきたい。


岩瀬郡天栄村立湯本中学校
     中学校数学科
           境田 正幸

昭和46年度の県教育センターの発足と同時に,私たちが,県内各地区から参加して,その識見と指導力を高めることを目的に,専門的内容および指導上の諸問題について研修を深めるため,前・後期合せて10日間の宿泊研修講座を受講しました。ここに雑感を申し述べたいと思う。

まず,宿泊で研修ができるということは受講するうえで実質的な研修意欲の高まりが感じられた。また,研修生が県内各地区から参加したことにより,それぞれの現場での指導上の問題点を広くもちより,情報の交換や意志の交流をはかることができた。

主として前期は現代化をすすめるための研究法などについて講義を受け,後期は如何にすれぱ学習意欲を高めることができるのか,如何にしたら個人差,能力差に応じた指導が可能か,またそのために教育機器の活用を,どう位置づけるべきか,そしてその資料の作製など,効果的な授業を組織するための方向づけがなされたことは非常に意義深いものがあった。

今後は,研修生が当面している,それぞれの条件のなかで一歩一歩着実に創意と研修を深めていくことにより今回の受講にあたって私たちが,吸収し得た研修内容を現場の授業の中で,力強く実践していくことを研修生一同がたがいに確認し合うことができた。

さらに宿泊研修であるからこそ,実現できたところの一対一で指導を受ける機会にめぐまれたこと,もちろん担当の指導主事先生方の心からなごやかな雰囲気の中でのご指導は研修生に多くの自信と希望を与えてくれた。

この研修講座にあたり,センターの所長さんはじめ,研修指導主事先生方の綿密な計画と運営,また多忙なところ特別に講義された講師先生方それに研修の間職場で受講生のため暖かいご支援をいただいた職場のみなさんや,学期はじめの多忙なときに授業研究をお引受けくだされ,すばらしく充実した授業をなされた北信中学校の先生方に対し,私たち一同長期の研修が有意義に終ることができましたことを心から感謝いたします。

長期にわたり快適な宿泊ができ研修意欲をもりたててくださった宿泊棟の方々の献身的なご尽カに深謝申しあげます。


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