福島県教育センター所報ふくしま No.6(S47/1972.6) -014/025page

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 愛の順に男子の交際程度はあげられるが,女子は,友情のパーセントが高く,半数以上が深い交際を望んでいない。
 高校生になると1友情−2恋愛−3愛情−4軽い交際の順位になり,中学生で4位だった恋愛が,2位まで進み,学年が進むにつれ交際程度が深くなるようである。
 女子より男子はいっそう積極的交際を望み,進行度は増加の傾向を示すようである。
 また結婚のとき相手に純潔を望むかという意見で,高校生には,下表のような結果がみられる。
純  潔  観
           地域 都市 農村
           性別 男子 女子 男子 女子 男子 女子
項目\     N.%
1.純潔は守るべき

2.婚約すればよい

3.結婚前でもよい

4.自由に考える

5.どう考えたらよいか

6.言葉がわからない

7.その他

36

6

56

38

6

4

2

24.3

4.1

37.8

25.7

4.1

2.7

1.4

78

3

15

14

7

20

8

53.8

2.0

10.4

9.7

4.8

13.8

5.5

26

11

34

16

2

3

4

27.1

11.5

25.4

16.7

2.1

3.1

4.1

70

5

11

17

8

6

2

58.8

4.2

9.3

14.3

6.7

5.1

1.6

62

17

90

54

8

7

6

25.4

7.0

36.9

22.1

3.3

2.9

2.4

148

8

26

31

15

26

10

56.1

3.0

9.9

11.7

5.7

9.8

3.8

148   154   96   119   244   264  

 結婚するまで,純潔でありたいと願うものが,男子25.4%(平均)女子56.1%(平均)であり男子より女子が倍以上に上廻っているのは,フリーセックスの考えは,女子より男子に反映しているのではなかろうか。

 つまり結婚するまで,自由性交すべきでないという問題には,確実に男女差がでている。

 婚約すればよいとの意見も男女比率2対1であらわれており,愛情が深まれば肉体的な絵びつきは当然と考える男子36.9%(平均)女子9.9%(平均)で,女子の4倍が男子の考えとなり,男子の態度如何が女子を左右することもあるが,本能に従い自然に表現するのが男子に多い。

 したがって自由性交をするとの意見も男子22.1野,女子11.7%(平均)で,その比率は2対1で,女子より男子が,ショッキングな意見をのべている。

 その反面,純潔の言葉がわからない者が,男子2.9%女子9.8%あり,男子より女子は,性意識に関して低いことも示された。

 現在の子どもたちは,社会風潮からか,異性への意識もすでに目ざめているし,おとなに匹敵する情報,知識量も持っている。これらの意識が,本能的,感情的な結びつきでなく豊かな深い愛情にまで発展させるにふさわしい行動一人間生活をより明るくするに必要な基本的な社会習慣を身につけることが肝要と思う。

 それが,自己の能力と特質を自覚し,具体的な目標へむかって進みうるように理解のある態度で見守っていきたいと思う。

 4 性行勤への反応

 学校でスカ−トめくりをして叱られるのはあたりまえという意見は小学校に多い。中・高生にいくにつれてその意見は減少している。

 小学男子の56.1%,高校男子の26.2%と,小学女子の71.7%と高校女子の25%の比較をみても考えさせられる。

 その反面,小学生では,社会が悪いという批判が多く22%〜28%ぐらいあり,中・高生にいくにつれて,31%〜36%,23%〜29%みられるのは注目されるし,ややエスカレートしていくのがわかる。

 また叱らないという意見は,高校男子の32%,女子の28.4%,中学男子の20.%,女子19.2%と年令の高い者ほど叱らない意見となり,小学生は,1.5%〜5.4%の割合ででている。

 この結果からみて,上学年ほどスカートめくりそのものを意識していないし,なぜ悪いかわけのわからない者が,約10%(平均)いるのをみてもそのことへの罪悪感がなく,本能的なこととしてとらえているのか,あるいはほんとうにわからないのかと考えさせられる。

 行動としては,本能的なことかもしれないが,人間尊重とか,しつけの面から考えてみなければならないのではないかと思われる。

 ある子は,わがままに育てられて自己の衝動を押える訓練を受けてこない子,甘えんぼうの子にこの現象をみかけることが何度かみあたった。

 このような行動から,親自身がわが子をみつめ直すことの必要性を考えさせられた。

 自分が手をつないで歩くかという設問にたいして,小・中学生の半数以上が手をつないでよいという答えになっている。


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