福島県教育センター所報ふくしま No.6(S47/1972.6) -021/025page

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 3.教育センター利用のための具体策

 センターは教職員の研修と共に生徒の共同実習所としての機能をもっているのであるから,大いをこ利用するためのシステムづくりを老えたい。特定の学校だけではなく,県下一円に及ぶよう,生徒運搬のためのセンター専用バスなども含めた教育予算を計上して欲しいものである。

研 修 生 の 感 想

教育センター研修講座に参加して

音楽講座 掛田小学校   佐 藤 敏 夫

夕暮れに宿舎の各室から流れてくる快いメヌエットの笛の調べ。時折部屋からわいてくる歓声。初日の研修も終わった夕食後われわれ音楽研修生のなごやかなグループ自習のひとこまである

 この全国屈指といわれる近代的な施設・設備を誇る教育センターで,毎日の現場における指導の悩みや問題点の解決のために県下より集まった諸氏と一同に会し,短い期間とはいえ心の交流を図りながら研修できた事は大変幸せであり有意義であったと思います。それにもまして明日の現場に役立つ講義や実習を効率的にご指導を頂いた諸先生方のおかげであると感謝申し上げます。

研修内容も豊富で基本原理の上にたった発声法,指揮法,小アンサンブル指導法,鑑賞指導法等実技研修に得ること大でありました。欲を言えば,アンサンブル指導,指揮法の実習はもっと時間をかけて欲しいと思いました。ともあれこの研修で得た成果を明日の授業に生かし,子ども達に音楽する喜びを感じさせ,より意欲的に音楽活動を展開させていきたいと思います。今後は,現場の諸先生方と共々に問題解決の研修機会を多くつくり,教育センターを訪れたいと思います。

図画工作科  研修講座研修生一同

 はじめて見る教育センターの建物にまず一驚しながら開講式にのぞむ。気持ちをときほぐすようをこ所員の先生方が平易なお話をしてくださるが,研修生たちはまだまだこちこちしている。第1日日の講座である鈴木栄先生のお話がはじまる頃,やっとふだんの気持ちになってきた。鈴木先生の講義は気楽なお話の中にピリッとしたポイントがあり私たち現場教師にとって大きな示唆となる。

 第2日目。ねんど学習,老若入りまじって全員が児童の心になってねんどと格闘する。量感,質感,空間感等,子どもに口でつたえるだけでなく実感として自らとらえることができた.午後から第3日にかけて木工教材かべかざりにとりくむ。頭でわかっていることも自分の手を通すとこのように思うように表現できないものかとみんな青息吐息であった。しかし中には指導員級の先生も居られて因っている人に助言をしてくださっていた。3日日の午後のクロッキーについても頭だけで実技が伴わない悲劇を味わう。しかし研修生のだれもが楽しく生き生きと活動し,あすからの教育の意気込みを新たにしたことであった。おわりに担当の藤田先生の懇切なご指導に研修生全員が深く感謝していることをぜひともつけ加えておきたい。

47年度体育講座1出生代表 日和田小  佐久間 喜久郎

 一足踏み込んだとたんに研究にふさわしい雰囲気が感じられ,地方ではとても見られない設備,文明の進歩の早さにいまさらながらおどろき,たじろぎと一まつの不安が私の胸をかすめたのも事実です。入所式も終わり第1研修室で講師を待つ間心をなごませてくれたのは,所員の方が書いておいてくれた歓迎のことばの板書であった。

 宿泊初夜はつかれに人見知りも手伝ってか各室の話し声も少なく床につくのも早かった

 第2日の講座は講師の熱のこもった,しかも内容のゆたかなために講座生の緊張も一段と高まり,そのためか午後の講座ではうなづきながら開きいる感動組もみられた。第3日各部屋では笑い声も聞こえる生活の楽しさがでてきた。きょうは登山にたとえれば胸つき八丁,宿舎を出る時の顔は真けんそのものきびしい顔,4人組で主題研究をし1年間の実践を約束して宿舎に帰る時夕陽をうけた半田山,郊外の緑は一段と美しかった。

 布どもは4日間の生活の中で芽を出した感謝の気持ちを木にかえ記念植樹,この木(気)が無限に伸びるように,そして近い将来中空にそびえる日を夢みながら。………


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