福島県教育センター所報ふくしま No.7(S47/1972.8) -015/025page

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(3) 孔辺細胞内の葉緑体数

  4倍体,2倍体の同じ場所の孔辺細胞各200を比較した。

データ3.
  葉 緑 素 平均
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
4倍体 0 0 0 1 4 38 78 49 26 2 1 1 7.34
2倍体 0 0 5 41 72 52 19 7 4 0 0 0 5.38

(4)形態に及ぼす影響

データ4.
  発芽6日目の胚軸   気  孔 葉の厚さ
倍数体  長さ  太さ  長径  数
2倍体 2.85cm
(100)
0.16cm
(100)
21.1μ
(100)
51.8ヶ
(100)
184.5μ
(100)
4倍体 1.66cm
(58)
0.24cm
(150)
27.9μ
(132)
34.6ヶ
(68)
231.4μ
(125)

・胚軸,気孔長径.葉の厚さの断面は各50ケ,気孔の数は20視野の平均
・( )内の数字は2倍体を100としての指数

発芽写真


葉写真


写真


 4. 統計的処理

 上記のような二つの処理群の比較をする場合は「A処理とB処理の結果,両者に差がない」という仮説を立て,これが棄却されるか,採択されるかを検討すればよい。

帰無仮説
帰無仮説

実験(1)について,  X2検定(出現率の検定)  を試みる。実験結果より期待度数分布を求める。

表

いま,「コルヒチンの濃度差により4倍体出現に差がない」と帰無仮説をたて,検定してみる。

計算式

従って,帰無仮説は採択される。すなわちコルヒチンの濃度による4倍体出現率はこの範囲では差が生じないと結論できる。

実験(3)について, F検定(分散の検定)とt検定(平均の差の検定)を試みる。実験結果より

4倍体のデータの処理
V−A f(V−A) (V−A)² f(V−A)²
200   67   275
4 1 -3 - 3 9 9
5 4 -2 - 8 4 16
6 38 -1 -38 1 38
7 37 0 0 0 0
8 49 1 49 1 49
9 26 2 52 4 104
10 2 3 6 9 18
11 1 4 4 16 16
12 1 5 5 25 25

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