福島県教育センター所報ふくしま No.7(S47/1972.8) -016/025page

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A…仮平均 V…葉緑体数 f…孔辺細胞数

計算

2倍体のデータの処理

4倍体のデータの処理
V−A f(V−A) (V−A)² f(V−A)²
200   76   316
3 5 -2 -10 4 20
4 41 -1 -41 1 41
5 72 0 0 0 0
6 52 1 52 1 52
7 19 2 38 4 76
8 7 3 21 9 63
9 4 4 16 16 64

計算

  F検定  「倍体と2倍体の分散度に有意の差がない」と帰無仮説をたて,検定する。

計算

 従つて,仮説は採択されこの二つの分散度には有意の差はないといえる。また変異係数を計算すると,

計算

(3)の表では一見4倍体の方がちらばりが大きいように見えるが,かえって小さいことになる。

  t検定  「実験処理の結果,4倍体,2倍体の孔辺細胞の葉緑体数に差は生じない」と帰無仮説をたて,検定する。

計算

 従って,仮説を棄却してこの二つの平均には有意の差がある。いいかえれば,コルヒチン処理の効果は明らかに出ていることになる。

 実験(2)はグラフに,(4)は指数で示した。

計算

 5. おわりに

 実験結果より直観的に,コルヒチン処理により生じた4倍体と推定される個体は発芽に際してはかなり遅れ,特に根の成長は抑えられ,生長点部分が肥大して短い。育成4倍体は葉の色も濃く,厚さ,大きさともに大きく,孔辺細胞の大きさ,葉緑体数枝ど明らかに異常を示していることが判るが,統計的処理により更に正確にしかも科学的批判に耐え得るものになる。染色体数9ケが処理により倍加されるはずだがその写真をのせられなかったことが残念である。

 <参考文献>
 実験遺伝学 宇田 一 北隆館
 生物実験法講座 第3巻 生物統計法 中山書店
 教育研究法序説 福島県教育センター
 日本蚕糸学雑誌 32巻 第1号


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