福島県教育センター所報ふくしま No.8(S47/1972.10) -012/030page

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第3図 小型透明半球の利用
第3図 小型透明半球の利用

平行であることが前提)から, b(日影棒間の距離):a2=c(透明球の周の長さ):360関係を導きCの値を計算する。このモデルをもとに地球の大きさまで発展するわけであるが,この中には, a1の測定誤差が大きく入り,全周の値にかたりの差を生ずるが,いわゆる考え方(探究の方法)を体得するにじゅう分な意味がある。また第2図右端に示したような日影棒も市販(\50)されている。小型であるが,透明半球に吸着させることにより日影曲線も画けるので便利である。

 2 発表されている資料をもとにした透明半球(小型透明半球)の利用。

 前項で触れた透明半球C型(内接・外接半球)をもちいる。理科年表などにより,その日の太陽・月・恒星(これは目によって変化したい)の位置を赤経・赤緯でもとめ,これを外接半球(赤道座標目盛ー第3図参照)にプロットする。そして,地軸を中緯度(われわれの住んでいる地域の緯度),極,赤道などにあわせ,回軸(太陽・月などの日周運動)させることにより,その動きを内接半球(地平座標)内側より,約1時間毎にプロットしていく。このことから,各地域の各時期のそれぞれの天体の運動の様子が,よく理解できる。このように地平面および地軸を変換させることにより地球上の各地の天体の動きを自由にモデル化し,空間的な概念をは握し個別化(単価がやすい)をはかることができる。

第4図 モデルによる空間内相互 相互の関係
第4図 モデルによる空間内相互 相互の関係

 次に第4図に示したように中型の透明半球を利用してイ 測定した季節別(イ,口)の太陽運動の日周運動の軌道から春分・秋分の日周運動の軌道を推論させる。
ロ また,冬季の南中時における太陽高度のデータなどを与えて,それらの運動の軌道を考える。
ハ 次に第4図(b)のように地軸が仮に天頂と一致した地域の夏至における太陽の日周運動について考えさせる。その他,地軸を変換して考えさせることにより天体の運動の全ぼうをは握させることができる。

以上要点のみを述べたが半球をもちいることにより,データを解析する方法を身につけさせることができる。

3 「季節の変化」を思考するモデルとして

観測により得たデータをもとに天体の相互の運動関係を種々検討を加えるために透明半球の効果は大である。

  季節により太陽高度が変化する事実,季節の違いによる日照時間の変化するデータ をもとに,第5図に示したモデルで検討を加えてみると地軸の傾きが季節の変化に密接な関係のあることが理解できる。すなわち,種々の方向に向けた地軸に光をあて同緯度における明るい部分の周の長さをテープ(図中の白の平行線)をあてて求める。この事実と測定結果とをあわせ考察する。

第5図
第5図

第6図
第6図

 また第6図は中型透明半球2個を組みあわせた地球モデルである。高緯度,中緯度,赤道付近にナットで小型透明半球を固定し,各地における太陽・月の運動の軌跡をプロットして,実際に測定した半球上のデータと比較し,地軸の傾き,季節の変化を推論しようとするものである。

 このような各種の透明半球の組合せも極めて効果がある。

 4 太陽の年周運動と星座との関係を考えるモデル

 太陽が没した直後

第7図 太陽の動きと星座との位置関係
第7図 太陽の動きと星座との位置関係


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