福島県教育センター所報ふくしま No.8(S47/1972.10) -021/030page

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 布の寸法は2の実験布と同じにする。布はブラウス,スカートの脇縫い目としてよこ方向とする。ひとつの試料につき5枚用意する。

 3) 測定機械

   ショッパー型織物強伸度試験機

(2) 実験結果

実験結果

 縫い方による縫い目の強さは,割り縫いよりも縫い目2本の二度縫い,折り伏せ縫いの方が強い。しかし二度縫いの場合は引張り外カに対してまず1本の縫い目が引張られて切れ,ついで2本目の縫い目が切れるという切断のしかたで,縫い目の強さは1本の割り縫いと大差がない。じょうぶな縫いしろのしまつの方法としては,伏せ縫い,折り伏せ縫いがよい。

 4. 縫いしろのしまつと洗たくによるほつれの関係

(1) 実験方法

 1) 試料

実験布
実験布 繊維 組織 厚さmm 糸密度
たて よこ
ギンガム ポリエステル65%
綿  35%
平織  0.23  33  24
ブロード 綿  100% 平織  0.27  56  56
デニム ポリエステル65%
綿  35%
綾織  0.45  36  34
ネ  ル キュプラ100% 平織  0.66  20  18
綿サテン 綿  100% しゅす織  0.21  44  34

2) 縫いしろのしまつの種類と組み合わせ

 (ピンキング切り ピンキングと捨てミシン)
 (捨てミシン 折りはしミシン)
 (ジグザグミシン縫い ベビーロック縫い)
 (手かがり1 手かがり2)
  ひとつの試料につき4枚用意する。

縫いしろのしまつの種類

 3) 洗たくの条件

  洗たく機(東芝全自動洗たく機銀河)

 洗たく法
  洗剤弱アルカリ性合成洗剤0.17%
浴比 1:30(試料重量118g,補充重量1.5kg)
温度40℃
時間 洗たく5分→排水3分→注水2分→すすぎ3分
排水2分→脱水3分→注水2分→すすぎ3分
排水2分→脱水5分
回数 5回,10回,20回,30回

自然乾燥

試料は補充布(天じく木綿)に分散させて中央を縫いつけておく。

(3) 結果および考察(30回を対象として)

 1) ピンキング切り・ピンキング切りと捨てミシン

洗たく回数ごとのほつれの状態

 ピンキング切りのしまつをしたものについては,ブロードはほつれにくくピンキング切りの谷のところでとまっているが,デニム,綿サテンは谷より更にたて糸が直線的に剥離し,ブロードより4〜5倍のほつれを示している。ピンキング切りと捨てミシンの併用の方は,捨てミシンの効果をみたわけであるが,ある程度のほつれおさえにはなるが,デニムなどは20回からミシンの縫い目も剥離しはじめ,デニム・ギンガムのようにほつれやすい布に対してはほつれ防止にはなら校い。ブロードのようにほつれにくい布には不必要である。

 ピンキング切りを使用するものは美的た面からほっれにくい布に,また洗たくの必要のないものに限られる。

洗たく30回のほつれの状態

 2)捨てミシン,折り端ミシンのほつれ


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