福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -008/021page
け近似の他であてはまるものでなければならない。
そこで,この実験にはいる前に「急に氷水でひやしたらどうなるか,ゆっくりひやしたらどうなるか,急に熱したら……ゆっくり熱したら……。」という討議が行なわれたうえで実験の方法を考える必要があるだろう。
つぎの,写真1-1, 2-1は,ショウジョウバエのはいった管びんを直接氷水や温水の中に入れた場合であり,写真1-2, 2-2は, ゆっくりひやす,ゆっくり暖めるという考え方でショウジョウバエのはいった管びんを,さらにガラス管の中に入れて氷水でひやすとか温水で暖めるという方法だが,両者を比較するとその違いがよくわかると思う。
(条件) 1 ビーカー100cc A水800c3 角氷14個 1ショウジョウバエ10匹 5 管びん直径25o, 深さ90o 6 水に入れる前の管びん内の温度23℃ 7 ゴムせんには2個の穴を開け,ガーゼをはっておく。ショウジョウバエが水面下になるように管びんを沈める。写真1-2は直径35o,長さ200oのガラス管の中に管びんを入れて水に入れる。
(結果)水温6℃,1分後管びん内温度20℃,10匹とも動かなくなる。観察した時間1分。
(結果)水温約6℃,管び ん内温度15〜14℃で動きに ぶる。8℃で動かなくた る。観察した時間15分
(条件)水の温度を約50℃とする。その他前実験と同じ。
(結果)25秒後符びんの中の温度27℃になり,10匹とも動かなくなる。観察した時間25秒。
(結果)2分後29℃になり 5匹が底面で激しく動く。 4分後34℃になり,10匹が 底面で激しく動く。6分後38℃になり5匹動かず,7分後40℃になり全部動かず,観察した時間7分,
この両者の実験結果を比較すると,写真1ー1,2一1は,実験の目的とか,現象の観察が1分とか25秒という,短時間観察ということから考えて,「何がわかったのか」と児童に問うこと自体問題がありすぎるし,たとえ答えられても「ショウジョウバエ,温度が急に変わると,すぐ動けなくなる。」ということは言えても,「ショウジョウバエは,温度がだんだん変化するにつれて動き方が変わってくる。ショウジョウバエ(こん虫)には,よく動きまわれる温度がある、」などとは言えないだろう。
実験の方法を吟味したいことの一例である。
2. こん虫(ショウジョウバエ)の学習には,吸虫管はぜひ必要なもの(4年生)
吸虫管は,今さら言うまでもなく,小こん虫などを,他の容器に移す場合に使うものである。たとえば,教師が次の学習準備として,卵を,別の容器に生ませたい場合,成虫を麻酔したい場合などである。
ところで一般に使用されている吸虫管は,図ー1のように,駒込ピペットの球部に辞を入れて作るが,難点はこの綿の入れ方が案外むずかしいし,使用しているうちに綿のすき間にショウジョウバエがはいり込み,死がいになったりするが,綿のとりかえや管の中の洗・がやっかいである。それで,これらの欠点を補い,しかも簡単に作れる吸虫管が,写真ー3,図ー2のような,分解組みたて可能の吸虫符である。写真ー4は使用のし方である。
に作れる吸虫管が,写真ー3,図ー2のような,分解組みたて可能の吸虫符である。写真ー4は使用のし方である。