福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -009/021page
3. 卵の殻に穴があるかどうか調べる(6年生)
卵の殻の中で胚が育つ事実から呼吸していることを調べ,つぎに「殻には空気の出入りする穴があるのではないか。」という疑問を持つ。このことを調べる方法は,昭和47年の研究紀要第6号一理科実験一に3つほど書いておいたが,そのうちの一つ,フェノールフタレン法として,フェノールフタレンと水酸化ナトリウム溶液を使う方法を書いておいたが,これは写真ー5のように,フェノールフタレンとアンモニア水を使った方が,短時間に結果がわかるので紹介する。
A ; ビーカーの中に水を入れフェノールフタレン液を少量まぜ,卵殻の中には,うすいアンモニア水を入れてセットする。数秒後に変化が現われる。 B ; 液はAと同じようにして,卵殻の表面にはパラヒンをとかしてぬっておくと変化は現われない。Aとの対照実験である。
ただ実験の際注意したいのは,手品的実験にならないようにするため,アンモニア水とフェノールフタレン液をまぜて赤変する反応を見せてから行なうことである。<参考> ニワトリの卵殻の表面の電子顕微鏡写真×7000
〈中学校教材〉
1. だ液の食物(デンプン)に対するはたらきを調べる
だ液をデンプン液に反応させる実験には,酵素作用のすすみ方と時間との関係。温度と反応遠度の関係。だ液のPHと反応速度の関係。デンプンの消化と吸収のしくみを調べることなどがある。
これらはすべて温度を一定に保つという条件がはいってくるので,試験管を空気中にさらして実験を行なうことには問題がある。水槽とかビーカーに温水を入れて,それに反応を調べる試験管を入れる方法もあるが,操作が混乱しやすい。それで写真一6のようなサーモカップ利用の温水容器を作って実験してみたが,操作も簡単で保温率もよく,効果的である。作り方は図ー3り。
2.酸素を必要としない呼吸について調べる。