福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -010/021page
生物は,生活々動のエネルギーを呼吸によって得ている。そして,その多くは酸素呼吸であるが,酵母のように,酸素を必要としない呼吸をする生物もあることを調べる実験であるが,内容としては,酵母量と発酵速度,糖液の濃度と発酵速度などが考えられるが,発酵速度は容器の中で発生した二酸化炭素が,細かいガラス管の中の水滴を押し出す速さで比較する方法があるが,容器を長時間(60分)一定温度に保つため,保温水を発泡スチロール板で包んだ。写真ー7がそれで,作り方は図ー4である。実験の結果ー温水40℃500t,室温17℃での温度降下は,2分間にO.1℃の割合で,保温がきわめてよい。
本年度の研究・研修のあゆみ
教育センターは,教育に関する研究(教育思潮,教育原理ならびに教育行財政,学校経営,教育実践等)教育各分野に関する研修(教育研究の成果に基づく各教科・分野についての研修)教育に関する奉仕(教育相談の奉仕,教育資料の整備・提供と教育吏の編さん)の諸事業を行なっている機関であり,これらの機能を遂行するための組織は,第1研修部(第2研修部担当以外の教科等),第2研修部(理科,家庭,技術・家庭),第3研修部(情報処理),研究・相談部(教育研究,教育相談,教育資料)で構成されている。
つまり,教育センターは三つの性格と機能を持つものと考えられる。一つには教育研究の機関であり,二つには教職員研修の機関であり,三つには教育に関する奉仕活動の機関であることになろう。
ここに昭和47年度の,各部の実施した事業内容とその課題等を掲載し,紹介するとともに,将来の一歩前進の資料としたい。
◇ 研 修 部 ◇
学校経営(A)講座
小・中学校の教頭先生を対象として,学校経営の諸問題について研修し,その識見を高めようとするこの講座は,年間3期12目間実施した。
研修生は,各校で校長の補性役や教職員の相談相手として苦労の多い人たちだけに切実な問題をかかえており,その解決にむかって熱心研修をつづけられた。
研究主題は ・学校の教育目標の具現化。校内の運営組織の改善。教職員の研修活動の充実。校内の人間関係の改善などで,成果は研究報告書としてまとめた。しかし,この種の課題はすぐに解決できるものではないだけに,今後の継続した研究が期待される。
ともあれ,学校事務に忙殺されがらな生活から離れての研修は,すべての人に好評であり,機会の再来を希望された。来年度は高校にまで対象を広げる計画である。
学校経営(B)講座
学校経営の効果と効率を高めるためには,管理職者の手腕・力量だけに頼るのではなく,その学校の教職員がそれぞれの立場から,積極的に学校経営に参加しようとする態度こそ重要である。こうした意味からこの講座は,小・中学校の教務主任・学年主任等の立場にある人たちに,学校経営についての識見を深め,対処すべき方向を明らかにしようとして開設しているものである。
各方面からの期待をになった研究生26名は,年間3回12日間,終始熱心に研修をつづけ,現職教育などの研究テーマを中心にその成果を研究報告書にまとめた。
講座の内容としては,教職教養のみに限らず,多彩な講師による一般教養の講義も実施してきた。この講座によって得た内容を今後の生活に生かし,各自の課題解決のために,継続して努カしてほしいものと願っている。
地域指導者講座
小・中学校の中堅教員を対象として教育研究法,教育、方法等について専門的識見を高めることを目的として実施した。
本年度の研修生は,小学校13,中学校18の計31名で,研究分野別にみると,国語4,社会5,算数2,数学2理科4,音楽2,図工1,体育2,技術家庭2,英語3道徳2,生徒指導2となっている。
研修内容・方法は,学習指導,生徒指導,教育研究法などについての講義,さらに日常の教育実践上の姦問題から主題をえらびそれぞれ在職校における研究実寮をする主題研究からなっている。
なお,この主題研究の成果は,昭和47年度地域着導者講座研究報告として集録し,県下小・中学技に配布される。ご活用願うとともにご批判をいただきたい。
小学校教育工学講座