福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -014/021page

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題の内容を精選し,教育機器の活用など,協議,実習をとり入れて展開していきたい。上記の考えに立って,次年度の講座の計画を検討している。

中学校英語講座

 中学校英語講座は当教育センターの発足と同時に開講され,満2年を迎えた。その間研修に参加された先生の数は250名を越える。47年度の講座内容は46年度に参加されました先生方のご意見をじゅうぶん参考にさせていただき,改善を加えて実施した。すなわち, nativespeakerの数を一挙に延べ6名とし,12名の小グループによる会話演習を2回設けた。先生方にも,英語による言語活動を研修講座の中でもやっていただき,教室における言語活動の指導がいっそう活発になるように望んだためである。期間も1日延長し,5日とした。48年度はさらに外人講師による講義式の講座,LLにアナライザーを併設し活用していくことたども考えている。立派な成果をおさめた47年度の講座に劣らぬ内容にたるようご協力を切望いたしたい。

中学校教育相談講座

1. 研修の成果

 (1) 教育相談の問題点とその対策についての研究協議 (2) 思春期の精神障害(症状・心因・治療)の講義 (3) カウンセラーテスト,集団理解についての演習 (4) Y-G性格検査,心理劇など演習をとおしての理解 (5) 思春期の心理と指導,教育相談の判定,処置講義など,実際的な内容,実際的な問題解決を確認した。

2. 研修の反省

 (1) 教育相談についての基本的な内容を研修し,現場における今後の実践意欲を高め,自信を深めることができた。 (2) 教育相談技術としての諾検査,面接などの演習,研究協議をとおして事例の研究など,まだじゅうぶんでなく,教育現場での実践が期待される。

中学校理科講座

 本講座は,40名が前期後期計10目間で,新教材の実験法の研究を深める研修で,次の4項に分けることができる。

1. 所員による講義と実験指導。(理科4領域各2項目)2. 選択研究テーマの実験法の研究と発表。3. 中央講師による講義。(講師森川久雄先生)4. 理科指導上の問題点についての研究協議。

 反省として,上記内容は,すべて,すぐに現場で役立つものであったが,さらに,本講座を充実させるために,テキストを事前に研究できるように配本してほしいとか講座日程内容を前期では上記1・3を,後期では2・4に,また,夜間の天体観測講座などぜひ計画してほしいなど研修生から強い要望が出された。次年度は,要望をいかし,より一屑充実した講座にしていきたい。

中学校理科実技講座

 この講座は実技および教材・教具の製作を中心としたもので,40名を2班に分けて各班4日間にわたっておこなった。

 製作物は明日の授業に直結する教具で今年度は 1 生物顕微鏡を偏光顕微鏡になおす装置, 2 エネルギー変換器  3 分子運動実験器, 4 永久プレパラートの製作などの製作と,それらを使用しての具体的な実験・観察がおこなわれた。

 参加した先生方は,全員が極めて熱心で,しかも研究的であった。また宿泊棟では自主的に話し合いの場(理科教育にあたっての)などを計画したり,天体の観測など計画し,有意義な研修であったことが反省記録の中に多くみられ,所員一同喜んでいる。

 来年度も新鮮さのある研修講座内容をもりこみ,先生方の期待にこたえるべく努力したい。

中学校技術・家庭科講座

 男子向4回96名,女子向3回36名実施した。内容は,新教材領域に視点をあて実技の向上と理解を深めるために,男子向は炭素鋼の標準組織,熱処理,試験及び検査,機械と設計,内燃機関のインジケータ線図,交流回路,ダイオード,トランジスタの特性,電動機の特性,女子向は機構と模形の製作,けい卵の調理性,食品の添加物,被服材料の性能などを実施した。受講生は興味深く研修したが,前後期に分けて全領域を研修する必要がある,また実践例的なもの,指導法などをもりこんではどうかという貴重なご意見がだされた。

 次年度は,各領域内容を精選し指導法も加味したい。女子向は領域が多いので前後期に分けて試行的に実施する。男子向は,初年度の計画通り隔年講座を実施し,その後,前後期に行ないたい。

高等学校教育工学講座

 この講座は,高等学校における視聴覚機器を中心とした教育機器導入による学習指導法について研修することをねらいとして実施した。講座の内容・方法・担当講師は次のとおりである。

 ・講義「教育の現代化と教育工学」
     東京都立教育研究所指導主事田中
 ・講義「教育機器導入による学習指導法の改善」
     福島中央高等学校長藤井 勇
 ・講義「教育機器活用の現状と問題点」
     高等学校教育課指導主事小松原格
 ・実習 「OHPの使用法とTP作成」
     福高商業高等学校教諭宍戸俊哉


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