福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -015/021page

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 その他,VTR,アナライザーの利用法については,所員が担当した。

高等学校国語講座

 8月22日から26日までの5日間にわたり,国語教育の各領域について,講義・協議を中心に実施した。講義は「徒然章の読み方」福島大学鈴木久先生,「和歌史」東京教育大学峯村文人先生,「漢字と国語」東北大学佐藤喜代治先生,「中国における批判思想の展開」福島大学大久保隆郎先生など,それぞれのテーマについて各先生から熱心なご指導をいただいた。講師の報償費が少ないのは悩みだが,講師陣の充実ということについては,今後とも努力していきたい。協議は「国語科学習指導法の改善一文語文法,作文を中心に一」,「論説文の取扱い」,「現代詩の取扱い」など具体的な問題を取り上げたが,参加した方々の熱心で活発な研究協議により,密度の高い内容にすることができた、ご協力くださった諸先生に心からお礼を申し述べたい。

高等学校社会(歴史)講座

 地理・歴史・政経・倫社の順に,毎年1科目ずつ実施する計画の,今年度は2年目で,歴史講座を行なった。

 高校講座のねらいは,科目の専門教養を主とし,一般教養を従としており,その性格上,講義が多くなってしまう。それで,講師陣には,大学教授などの理論的権威者ぱかりでなく,現場の実践家からも多く選んで,内容に幅をもたせるように努カした。

 その実施結果は,いずれも大好評であった。

 しかし,各科目が4年毎の周期では,担当教師数からも,研修の機会が,1O数年毎のローテーションになってしまうので,これを早めることの要望が強く,これに対処して,新年度には研修人員を10人ふやし,さらに,将来は講座数がふやせるように努力したい。

高等学校数学講座

 8月22日〜8月26日の5日間,32名の先生方が受講された。本年度の講座内容は学習指導法として「解析教材の取扱い方」数学プロパーとして「位相の基本概念」新教材として「アルゴリズムと電子計算機」の3つに焦点をしぼり,講義と実習により編成した。特に先生方が,新指導要領の実施を明年度にひかえ「電子計算機」実習による教材研究は時間に無理かあったにもかかわらず,積極的な研修態度には心から敬意を表している。明年度は,FORTRAN初級程度での数値計算法とそのプログラミングに当センターの施設をじゅうぶんに活かし,余裕のある時間をとっての実習を計画している。また内容も総花的でたく,焦点化のため,寄せられた意見をじゅうぶんに考慮したいと考えている。

高等学校音楽講座

 12月5日から12月8日まで4日間,高校担当教員15名に対し実施した。

 講座内容は,激動する情報化社会に対応する音楽教育のあり方と,創造性の教育について考察するとともに,それにとも教師の技術の向上として,小アンサンブルと日本の音楽に重一植をしぼって実施した。

 小アンサンブルについては,ソプラノ笛・アルト笛とギターによるアンサンブルであるが,特にギターの実技については基本から正しい奏法とその指導ができることを日標として実習をする。日本の音楽については事の実技を主とし,その実技を通して,目本の音楽の特質・構成要素を理解するとともに,目本の音楽の鑑賞指導へのアプローチとして,わが国および郷土のわらべうたと民謡にもおよんで実施した。48年度は三味線もとりあげる。

高等学校美術・工芸講座

1 内容

 (1) 鈴木琢磨講師による美術,工芸教育の問題点と題する講義および協議
 (2) 白沢菊夫講師による石彫(白彫石を用いて)の実技
 (3) 所員による金属工芸(七宝焼)
 (4) 岡田清一講師による「これからの高校における美術教育」についての講義および協議

金属工芸・中学校講座作品
金属工芸・中学校講座作品

高等学校書道講座

1. 内容と成果

 (1) 全員による書道教育の問題点の研究協議
 (2) 須田哲夫講師による書表現(書譜)実技
 (3) 林丈夫講師による青田石を用いた篆刻
 (4) 藤本正教授による書の鑑賞指導の実際
  いずれも講師の深い指導と受講生の熱心な研修によって,期待した線までの収穫を得ることができた。

2. 研修の反省

 (1) 各内容とも必要なことばかりであるが,一内容に割当てられる時間がたりないという声もあるので,数多い内容よりも,その中から重点的に充実することが肝要と思われる。 (2) 各学校の実情に応じてくふうされた教材教具のつくり方など,研究と実技の発表も期待されている。


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