福島県教育センター所報ふくしま No.10(S48/1973.3) -017/021page

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負担をできるだけ軽くするように配慮し,同一問題でプログラムを基本文法項目ごとに段階的に積上げながら、一応完成してプログラムの構成と役割を理解させ,最終的にはCOBOLの基本文法を総合的に活用したプログラムを作成させるようにした。次年度は本年度の反省を参考にし,プログラム及びデータのパンチに時間のかかり過ぎることに問題はあるが,今後の工夫により,更に効果的に研修ができるようにし,新科目電子計算機一般の内容の大半を研修させ,現場での指導に対応できるように心掛けていきたい。

情報処理(FORTRAN)講座ーN.C.をふくむー

 フォートラン初級コースは2回実施されている。

 研修生は電気系,機械系にとどまらず工化,建築の方もふえてきた。従って一般的な文法の展開に加えて演習の内容を検討しなければならないと思う。

 なお,全国工業高校校長会では,「情報技術検定制度」を考慮しているので,文法の演習には多少この点にもふれてみる必要があると考えている。

 研修時にはA,Bの2班編成をこころみたことからみて,時期的にも48年度あたりからは上級コースを設けたい一方,初級コースには商業系の方も参加できるように配慮したい。

 数学担当の方に対しては数学講座担当者がセンター電算機利用について鋭意計画中である。

 NC研修は47年度と同じく1回実施する予定である。

   ◇研究・相談部◇

 教育の動向や要望についての研究をはじめ,児童・生徒の教育上の問題についての相談,資料の収集・提供を担当している研究相談部における本年度の実施内容,およびその課題は次のようである。

1. 教育研究の状況

 組織経営の継続研究としての「学校経営改善に関する研究」・教育協力活動の積上げ研究としての「教授組織に関する研究」,年次的な基礎研究としての「児童・生従の社会認識に関する研究」をはじめ,本年度は発展的研究として,中学校「福島県診断標準学力検査問題」の研究,事例を中心とした「教育相談の基礎的研空」について実践的研究を行なった。

 (1) 学校経営改善に関する研究

 学校経営の概念を規整し,その関係する領域や機能を本県の実情から検討し,個性の伸長をめざした完全学習をはかる「効果的・効率的な学校経営のあり方」を追求し,今後の学校経営改善の資料とする。

 その内容は次のようである。

 1 教育目標にみる内容,必要条件とその具現化
 2 教授・学習組織の機能とその構成
 3 事務組織の条件整備と機能的な構成
 4 運営組織の体系とその作用
 5 地域の変ぼう対策と教育環境の整備

 この研究は,実態調査結果の分析と学校組織・経営の理念を現代的にうけとめ,改善の視点や課題を明らかにしようとする。その結果は報告書(紀要)にまとめ各学校に提供する予定である。

 (2) 教授組織に関する研究

 教育活動の主体を教授・学習組織におき,その体制に即した教育方法・技術を取り入れ,しかも協業・分業で行なうことにより,ひとりひとりの子どもに学習を成立させることである。その研究ψ)課題をあげると次のようである。

 1 協力組織体制による教授過程のあり方
 2 教授過程における役割分担とその活動
 3 小規模少人数学級校における協力体制のあり方
 4 完全学習をめざした協力組織とその活動

 実験学校には

 ア, 福島市立吉井田小学校校長安田正吉
 イ, 安達町立下川崎小学校校長石川博

をお願いしている。吉井旧小学校においては,県下の一般的な規模の学校として,全学年による体育の合併授業,低学年の算数,中・高学年の理科についての複数授業をとおして, 1・2の研究課題の実証をすすめている。

 下川崎小学校においては,小規模少人数学級校として,全学年の体育・音楽・図工の1部を適正集団規模に再編成しての授業のくふうにより, 3・4の研究課題の実証をすすめている。この研究結果については,報告書にまとめ各学校に提供する予定である。

 (3) 福島県診断標準学力検査問題の研究

 本年度は中学校を中心として,全県的な立場から学校および生徒の学力をとらえ,学習指導に役立てることを目的として作成をすすめている。特に配慮した事項をあげると次のようである。

 1 目標を細目標にし,内容の系列上に位置づけ,問題構成に普遍性をもたせるよう配慮した。
 2 領域さらには観、植を設け,領域・観点ごとに標準化し,教科の学力を診断できるようにした。
 3 細目標の順次性から生徒の到達度や,過程的に陥没点をとらえられるようにした。
 4 学力形成過程を薙重し,問題数を多くして検査問題としての信頼性を高めるよう配慮した。

 その作成は,第1年次として予備検査問題とし,学年は1・2年で、教科は国語・社会・数学・理科・英語の5教科である。

 (4) 児童・生徒の社会認識に関する研究

 児童・生徒は、家庭・学校・地域社会で共同生活をとおして,さまざまな機会において,それなりに社会認織をつくりあげている。その機会でどういう事象にふれ,それをどのように受けとめながら社会認識を形成しつつあるかを究明することにした。その分野は,第1社会認


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