福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -010/025page
(1) novelty (新奇の程度)
○その刺激が既知のパターンに合致しない程度に
(2) complexity (複雑の程度)
○その刺激系の中の部分の多様性や変異性との関係において
(3) intensity (強さの程度)
○その刺激が学習者の印象に訴える強さで,物理的な強度やそれに順応する水準との関数とて
(4) 矛盾ないし葛藤 (conflict)
○刺激が相異なる二つ以上の反応を喚起する性質で,矛盾の強度は相拮抗する反応の強さの相互近似度としてをあげている。もちろんこれらの条件をそのまま,教材のもつ構造にあてはめることはできないとしても,これらの条件は,算数・数学の教材のいずれもが有している特意性と考えることはできると思われる。したがって,算数・数学における探究する過程は,問題なり課題なりを解決するという前提に立ったとき,児童生徒に有効に働きかけるものと考えてよいのではなかろうか。
3. 探究する過程を童視した算数指導例
前述の算数・数学における探究の過程についての試みを具体的な指導の場にあてはめた場合はどのようになるのだろうか。
次の例は小学校6年算数科「比例・反比例」の教材のまとめにおける学習指導展開の一部分である。
○本時学習のねらい。
y = a + x y = a ・ x y = a − x y = a/x
などの式とそれをあらわすグラフを関連づけてとらえさせる。