福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -012/025page
たねを選び,案験の結果よい結果の出た水の深さのところにイネのたねをまく・・・・・ という段階に到達するのである。
3. 案験の結果から出た参考にしたいデータ
(1) イネのたねをまく場合の水の深さについて
考察;
実験の条件;
○24時間水浸した種子を使用
○全体を11区とし,水深は0.5cmから10cmまでとする。
○各区とも100粒のイネを任意に選び10パーセントの食塩水で塩選したものを使用
○水温25℃になるよう定温器(暗)内に静置
実験の結果
○水深が浅い方が深い方よりも概して発芽・成長がよい。
○水深が4cm以上になると,芽はひん弱に長く伸びるが,根の成長は極度に悪くなる。
○この実験の結果からは, 水深1〜26m に保つのがよいようである。
写真−1は,水深1cmのもの(左)と,水深10cmのもの(右)の成長のようすを任意にとり出して比較したものである。芽と根の成長の差が明らかである。
写真2−3は,水深を8cmにしてまいたイネの芽が1cmほどに発芽した段階で,一方は図−1のようにしてポンプで空気をおくり,他方はそのままの状態で,7日間ほど放置しておいたものである。空気を送り続けた方の成長が著しく良いのに気づくだろう。