福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -013/025page
この結果から,水深が深い場合と浅い場合を比較すると,両者とも水面の表面積は変わらたいのであるから,空気中から水にとけこむO 2 の量に変わりがない。深いカは水量が多いから,全体としてのO 2 の量は不足するという結果になり,したがって成長のしかたがにぶくなるわけで,前の実験の結果と照合すると理解できることである。
4. イネのたねをえらぶ、塩水の濃度について
実験の条件;
考察;
○各区とも100粒ずつ任意に選ぶ。
○食塩水の濃度は,0〜20パーセントまで,11区とする。
○水深は2cmに保つ。
○発芽容器は10cmのシャーレを使い,同一シャーレに境をして,浮いたたねと沈んだたねをまく。
○容器は定温器(暗)で25度に保つ。
○食塩水の濃度が高くなるにつれて,浮くイネの数も多くなる。
○浮いたイネの発芽率は,濃度の高い食塩水を使うほどよくなる。
○食塩水の濃度が低い場合には,浮いたイネは発芽したいが,沈んだイネの中で発芽しない数も多くなる。
写真−4は,11区と7区の成長の比較であるが,11区の場合は,浮いたイネと沈んだイネの差がつけにくいのに対して,7区の場合ははっきりしている。授業の場合,浮いたたねと沈んだたねの発芽の比較が出てくるが,濃度が高すぎると11区のような結果になり,児童の予想と完全に反してしまう。濃度カミ低すぎると沈んだイネでも発芽しないのが出てきてまずい。したがって,約10〜12パーセントの濃度の食塩水でイネのたねは選ぶのがよいようである。