福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -015/025page
についてのべる。
(1)ドライ・ラボとしての教材(仮称一半円板)の製作
透明半球に内接する半円板をまず製作する方法について述べる。
図1に見るように塩化ビニル板(厚さ1mm,190cm×285mm)を1枚準備し,これを図のようにトタンバサミで切りとる。この結果3枚の半円板カミできる。これを,1(マル1),2(マル2),3(マル3)のように組みあわせ,それをセロファンテープで接続する。その結果A面,B面,C面(以後,それぞれ面を表わす場合に使用する)が白由に回転できるように,接続部分は少々の余裕を設ける。
これで完成であるが,塩化ビニル板(半円)の直径は使用する透明半球によって内径カミ異なるのでうまく内接するように留意すること( 図1の径195mmはケントの透明半球の場合を示した)(2)使用法の一例
このような簡単な半円板であっても,透明半球と併用し(内接することにより),天体の動きをたくみに表現できるものである。
図2は,半円板をそれぞれの向きから見た図で1(マル1)〜6(マル6)まで作図の過程を追って書き表わしたものである(図の円弧に書いたA,B,C面は図1のそれと同一面を意味する)。
1(マル1)では,A,B面を見た図で,まずサインペンをもちいて北極星の方向(ここでは観測者は中心Pに居り,地平面,TPUからの角度,つまりその地点の緯度に等しい)を記載する。
次に,天の赤道を記入する(これは北極星の方向から90度だけずれた方向となる)。即ち天球上(透明半球上)の子午線上(A面の半円上)に天頂と北極星,北点(U),南点(T)がプロットされたことになる。
次に2(マル2)では1(マル1)に加えてまず理科年表(暦部)より,その目の太陽の赤緯(a 。 )を見て,これを図のように記入する( 2(マル2)図では a がプラスの場合が記入してあり,マイナスの場合は下側になる)。この場合の太陽の南中の位置は m の点になる。
続いて,m 点より平行線を引き(水性のサインペンで),地平線との交点nを求める。即ちこの m n 線はその日の太陽の日周運動の経路(透明半球上・および天球上の)を真東から見た断面(A面)上の線となる。
つぎにn点からB面上の弧に垂線 nOをたてる。このO点はAB面を直角にした場合,日の出の位置になるので,透明半球をこれに外接(重ねる)すると,簡単に日の出の位置や1(マル1),2(マル2)で得られた天頂,天の赤道,北極星の位置などが球面上にプロットできる。
なお,天の赤道の記入法については6(マル6)で述べる。図2,4(マル4)の図は3(マル3)から発展して,観測点PからO点(日の出の点)を結ぶ線を引く。これはAB面を直角に