福島県教育センター所報ふくしま No.11(S48/1973.6) -017/025page
児童・生徒の杜会認識に関する研究
―― 男女交際についての一考察 ――(学習活動の基礎資料)
研究・相談部 金 木 和 子
1. 調査にあたって
標記の研究テーマについては,第1年次のまとめを発表したが,今年度は昨年度にひきつづき調査内容を拡大・補充して,調査をすすめた。
そこで今回は,異性との交際のあり方,現代っ子の異性観というものにスポットをあてて調査の2,3の点をあげて参考に供したい。
1.調査対象と調査方法
小学校6年,中学校2年,高校2年生を選定した。それぞれ思春前期,思春中期,思春後期に該当する学年と考え,地域性は,都市部と農村部とがほぼ同数になるよう抽出した。調査人員は633名で質問紙による調査を行なった。一部に面接調査も加味し実施した。
2. 男女交際は,どのような状態であろうか。 (6項目調査)
[調査1] あなたのクラスで男女交際のあり方について話しあったことがあると思いますが,そのようなとき,あなただったらどんな交際をしたいと思いますか。
上図では,小学校を省略したが,そのときにならないとわからないが50パーセント以上をしめている。中,高生になると普通の友として交際したいという気持ちが,倍以上しめてくるし,交際も開放的に,わるびれず,恥ずかしがらず好ましい傾向を示すようになる。
なおその場にならたいとわからないという意見も22〜36.3パーセントあるのは,現実の家庭の状況で,むかしながらの考えが残存しているのか,あいかわらず不白由を感じ堅苦しい思いで交際が少ないのか,気軽に話しあえる余裕がないのか,異性の忌避(きひ)あるいは反発という形の交友か,注目して今後継続観察してみたい。
[調査2] あなたは,異性の友だちができたら,そのことを親に話しますか。
男女交際を親に話さないのは,男子のほうが多く,小・中・高の男女差は顕著でない。またそのときにならないとわからないというのは,中・高生に26.4〜42.6パーセントあることから,両親の承諾をえた状態を最良とし,きかれたら話すふん囲気よりは,他人へ迷惑をかけることのないオープンな交際,不純交遊とか誤解の生まれることのない交際を強く望みたい。それには,家族間は明朗で,互いに尊重しあい自他敬愛の中での交際が保たれるような周囲の温かい理解が必要となるであろう。
[調査3] 家の近くのベンチに,ひとりでぼんやりこしかけていたら,となりにすこし年上の感じのいい女(男)の子がこしかけました。しばらくしてその子が話しかけてきました。そんなときあなたは,どうしますか。
(男子は女の子,女子は男の子と答える)