福島県教育センター所報ふくしま No.12(S48/1973.8) -006/025page

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図2 日影曲線モデルと日影曲線
図2 日影曲線モデルと日影曲線

○季節による日影曲線の違いから,地軸の傾きや地球と太陽の位置関係を推論する。モデルの北半球中緯度に地平面と日影棒を立て,あらかじめ実測した冬至,春・秋分,夏至付近の日影曲線と類似の曲線ができるように太陽モデルと地球モデルの位置関係を調整する。
○モデルの赤道上および南半球中緯度で日影曲線をプロットし,赤道および南半球中緯度付近の日影曲線を予測する。
○北極における日影曲線を予測する。自転軸を北極より出ないように作り,そこに地平面をつければ,北極での日影曲線を画くことができるが,一点支持になって不安定である。このままでも自転軸を変えることによって北極における日影曲線を画くことができる。


4.活用にあたって

 暗室にして一斉に実験を進める場合,光源の数が多いため,求める影を見失うことがある。また,地球モデルと太陽モデルの位置によっては,スタンドのかげになりプロットしにくい場合がある。
 光源(太陽モデル)としては,普通光束装置などを使って平行光線を得ている例が多いが,一方向にしか光がとどかないこと,数多くそろえることが困難なことなどの理由で,白熱電球を利用して写真のようなものを作った。日影の先端がややぼやけること,正確な数値から少しずれることなどはあっても,太陽光度や偏角の測定など,定量的なものをあつかわなければ,じゅうぶん実用になる。


流 水 モ デ ル

1.流水モデルについて

 流水のはたらきは,多くの要因が複雑にからみ合っている連続的,総合的な現象である。すたわち,きわめて長時間にわたって起こる変化なので短時間の観察結果からそのはたらきを直接推論することは困難であり,ばくぜんとしていて,そのままでは因果関係をつかみにくい。そこで,現在観察できる事実を集め,複雑に組み合わさっている要因を分析し,要因と現象との関係をあきらかにしようとするときに,モデル実験はきわめて有効である。ここに述べるモデル実験は,自然の川に見られる要素を整理し単純化して流水のはたらきを考察していく手がかりとするものである。ここでは, ○川底の傾きや流量と流速, ○流速と運搬力, ○沈降速度と粒度別垂直分布, ○粒度別水平分布, ○浸食量とたい積量に分けて実験を行ない,さらにこれらを総合したモデル実験を加えて流水のはたらきを考察する方法について述べる。


4.準備物

・流水台(大・小)  ・マリオット瓶  ・ストップウォッチ, クリノメーター,   沈降実験管(2)  たい積実験装置,   水平たい積槽,     試料(れき,砂,カラーサンド等)  塩化ビニル板,  グラフ用紙,  水性サインペン


4.モデル実験と考察

(1)  川底の傾きや流量と流速
 流速を左右するおもな要素として川底の傾きと流量を考え,その関係をあきらかにするものである。流水台(小)に一定量の水を流し(マリオット瓶使用)目印として発泡スチロール小片などを流し,一定距離を流れるのに要した時間を測定する( 図3 )。流水台の角度を変えて流遠を測定する。つぎに角度を一定にして流量を変え流速を測定する。(流水台は木製の自作品で流路には塩化ビニール板をしいて用いた)。傾斜角や流量はこまかに変えると測定困難なので,はっきりと変化がつかめる程度の段階を選ぶことが必要である。

(2)  流速と運搬力
 流速が変わると,れき,砂などの運搬カがどのように変わるかを検討するものである。(1)で使った流水台の途中に,粒度の異なる試料をおき運ばれるようすを調べる。試料の質や形などによって結果は変わってく

図3 流速測定装置
図3 流速測定装置


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