福島県教育センター所報ふくしま No.12(S48/1973.8) -017/025page

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教育組織・活動に関する研究

研究・相談部長   内藤 善次

1.学級組織

 学級組織を教授・学習組織,事務紐織,運営組織の3系列とし,教授・学習組織は,「児童・生徒の指導に直接関係する活動の体系である」。とし,事務組織は,「直接的な教育活動を支え推進するため,補助的手段としての役割をもつ分担業務の構造である」。とみることにし,運営組織を「直接的な教育活動を支え,じゅうぶん発揮・実現させるために営まれる活動に関係する諸要因の状態である」。とする。
 各系列が機能的であり,かつ,各系列の相互作用がじゅうぶん営まれるよう配慮することが,学校緯織改善の要件になろう。
 各系列の機能化とその相互間の協力化をはかるには,組識構成の単位を同一にし,基盤とする系列を明確にすべきである。単位として学年,あるいは学年団があげられ,基盤としての組織は,数授・学習組識になるだろう。
 実験学校の学習組織をあげると次のようである。

実験学校の学習組織

2.教授・学習組織

 教授・学習組織の改善の基本的な型をあげると次のようになる。

実際指導の教科分担 単元指導計画の作成 単位集団の編成
分担しない 協同で行なう 既成学級である
同上 同上 能力別編成をする
同上 同上 弾力的な編成をする
分担する 個人で行なう 既成学級である
同上 同上 能力別編成をする
同上 協同で行なう 既成学級である
同上 同上 能力別編成をする
同上 同上 弾力的な編成をする

(1) 実際指導の教科分担
 「分担する」とは,実際指導において,同一学年の教科もしくは教科内領域の分担を継続的に行なうことである。
(2) 指導計画の作成
 「協同で行なう」とは,ある単元(題材)について,2名以上の教師が,学校組織のもとに協同して作成することである。
(3) 単位集団の編成
 「弾力的な編成をする」とは,既成学級に固定しないで,大・中・小集団に再編成し,併用することである。
 「能力別編成をする」とは,児童・生徒おのおのの進歩に期待し,年間固定するのではなく,少なくとも数単元ごとに基準により,達成度合から再編成することである。

 どの型を採用するかは,その学校のおかれている実態と方針によるが,教授・学習組織の機能的な改善をはかるには, 計画, 実践・評価と集団構成の3側面がよくかみ合うよう協力体制で仕組まれなければならないと思われる。こうした考え方から実験学校においては,8の型をとり実証につとめている。


3.研究のねらい

「小規模少人数学級校における協カ組織体制での役割分担とその活動」


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