福島県教育センター所報ふくしま No.13(S48/1973.11) -019/026page

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実験学校の研究の歩み


安達町立下川崎小学校 校長    石  川     博

教育センター研究・相談部長    内  藤  善  次



1 本校の概要

本校は児童数87名,しかも減少化にある過疎地帯の学校である。児童は全体的に素直であるが,気力に欠け,体位体力ともに県平均以下である。保護者の90%は農業で冬期間は出稼ぎが多く,最近は母親の30%ちかくが付近の工場に年間をとおして勤めに出ている現状である。この傾向はますます増加の傾向にある。

教員組織は,校長1,教頭1,教諭7の計9名である。その中女子教員は3名で年齢は20台が1名で他はすべて40台の構成である。また小規模校として共通する多くの問題をもっていることは例外でない。たとえば個別化の面では恵まれているが,その反面,集団性を必要とする教育活動に大きな問題点が残される。こうした問題点をふまえ,福島県教育センター実験学校として,教授組織の改善という視点から指導をうけ,主体的に3年前から取り組んでいる。

2 学校経営の方針

学校経営の効果的,効率的な経営をめざし,教授組織,事務組織,運営組織の体系化と相互関連作用により,教育活動の集大成をはかる。

具体事項として

(1) 三層構造の機能化により,学校経営の機能化をはかる。

(2) 学年団(低・中・高)の協力責任体制により,役割・分担意識を高める。

(3) 小規模少人数校教師の内的秩序の統制をはかり,特性の発揮をはかる。

(4) 組織体としての協業・分業に満足感・充足感をもち,教育活動の集大成をはかる。

3 教育活動改善としての視点

(1) 協力体制による学年団経営

学校組織において,教授・学習組織を中核として,事務組織,運営組織の構成単位を同一にし,相互作用をはかる。その推進母体を学年団(低・中・高)におき,学習指導,生徒指導は勿論,各組織活動の機能化をはかる。

(2) 単元指導計画の共同作成

実際のための単元指導計画案を学年団で共同作成をする。

(3) 単位学級集団の再編成

教科の性質・内容に応じ,児童の発達段階・経験により,現在の学級集団を再構成し,大集団(2学級)中集団(学級)小集団(グループ)とし,学年団教師が協力し,生徒指導も行なわれる体制にする。

(4) 教師の協力体制

教師の特性を生かしながらのティーム・ワークより,協力活動が可能であるようにし,教育機器導入や,役割分担を明らかにする。その役割分担は固定せず弾力的な取り扱いをする。

4 研究主題

「小規模少人数学級校の教育活動における協力体制での役割分担とその活動」

(1) 小規模少人数学級校こおいては,教科の性質・内容によっては,集団環境構成面から本質的な授業の展開に困難を感じる領域がある。その障害除去のため,2学年合併授業により適正集団による一部合併授業を計画的に実施する。

(2) 学習成立の要因として,学習は個人に成立するとし,ティーム・ワークにより自己調整の学習をさせる。

具体事項として,

ア,学年のわくをはずした児童集団の再編成による教授過程をたしかめる。

イ,段階的な教授過程の中で教師の役割分担とその活動のあり方をたしかめる。

5 実施教科とその学年

6 学校経営の実際

学校経営における事務組織を教授・学習組織,運営組織とのかかわりにおいて,教務部,指導部,管理部教務乱指導部の3分野とし,各学年団の構成をそれぞれの組織に結


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