福島県教育センター所報ふくしま No.15(S49/1974.3) -012/030page
ているのか,相対評価的な方法で行なわれているかを調査したものである。これによれば,成績評価と異なって,性格的な面の評価の色彩が濃いためか,あるいは,行動の記録本来のあり方が絶対評価的なものであるべきだとする考えが強いためか,半数近くの学校で絶対評価がなされていることが目につく。しかし,相対評価的な考えも加味していかなければ,クラス間,学年間のバランスが均等に保てないという意見が強く作用し,38%もの混入型が生まれてきていることは無理からぬことであろう。
行動の記録評価点,A.B.Cの数の制限については次表4のとおりの集計を得た。
4. 行動の記録の評価,A.B.Cの数の制限について
1年の時にはオールAをつけない つけることもある
2年の時にはオールAをつけない つけることもある
3年の時にはオールAをつけない つけることもある
1年の時にはCを つけない つけることもある
2年の時にはCを つけない つけることもある
3年の時にはCを つけない つけることもある
つけない
%
つけることもある
%
A
1年 20 24 48 56 2年 19 22 49 58 3年 16 19 51 60 C 1年 8 9 59 69 2年 8 9 59 69 3年 13 15 60 71 A.B.Cの数についての意見があれば御記入下さい。
(紙数の関係で割愛する)
上記4の資料から,A.B.Cの数の制限については各佼まちまちであるが,オールAの評定Cの評定についてはかなりの注意が払われていることがわかる。
5. クラス間の不公平を無くすように,クラス全員に与える。
Aの数を制限していますか
A. している→イ.学年ごとに決めている。
ロ.全学年共通で決めてある。
B. していない。
\
回答校数
%
A
イ
ロ
15
4
18
5
B
\
69
81
間3の解釈についての際にも触れたが,クラス間の評価のバランスを公平にしようとする力は,評価の方法を絶対評価から相対評価へ移行させるカとなって働くと考えられるが,各高等学校ではどの程度それに対応する規制を行なっているのだろうか。その点を探ったのが表5である。間3においては,10%の学校が相対評価で,38%が絶対評価と相対評価との混入方式で評価を行なっていると答えているが,表5の解答によれば81%の学校がAの数の制限を行なっていないことは一見不思議な感がしないでもない。これについては再度の綿密な調査と分析が必要となるので次回に譲りたい。
6. 上記の設問で制限していると答えた場合は,次の間いに答えて下さい。
A. 学年ごとに決めている場合は(○で囲み空所を埋めて下さい)
イ. 各クラスのAの数の総数を_個までに制限している。(1.2.3年の関連は無い)
ロ. 1年ではクラスのAの数は_個
2年ではクラスのAの数は、_個までに制限している。(1.2.3年の関連がある)
3年ではクラスのAの数は_個
ハ. 責任感・公正さ等の13項目ごとにAの数を_個まで( %)に制限している。
この場合,1年,2年,3年と割合が異なっている場合は具体的に記入して下さい。
ニ. その他の制限方法を行なっている場合はその方法を御記入下さい。(紙数の関係で割愛)
回答数
%
イ
1
1
ロ
5
6
ハ
3
4
ニ
4
5
無答
1
1
問6は前記問5の補足問題である。各クラスのAの総数を制限している学校,すなわち,一人6から7個のAを最大上限としている学校は1校。ロの解答校は5校……の内訳は下表のとおりである。ハの解答校は4校,いずれも一学年時には約10個のAを,二学年から三学年へと学年が進むにつれて,Aを5個程度づつ増加させている学校がほとんどである。解答のニ……他の制限方法については,多数の貴重なご意見をいただいたが,紙数の関係で割愛した。
問7は,行動の記録の評価の手段,方法についての意見の記入であり,これについても各学校より多大のご意見を得たが,紙数の関係上割愛せざるをえないのが残念であった。