福島県教育センター所報ふくしま No.16(S49/1974.6) -004/025page

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分析した授業結果の評価と改善のための対策(2)
分析した授業結果の評価と改善のための対策(2)


(a):そのまま残す分節

(b):改善を必要とする分節

(c):配当時間をふやしたり,学習量を増したりする必要のある分節

(d):省略したり,配当時間を短縮したりする必要のある文節

(e):ほぼそのまま残してよいとみられる分節点線は,事前テストと事後テストの正答率が等しい場合の位置で,実際には,ほとんどの問題がこの点線の左上にくる。

 ● 広岡亮蔵著「学習過程の最適化」(明治図書)

(1)学習過程の最適化

多様な学習方式が興起するにつれて唯一全能な学習方式はありえないとの実感がもたれてきた。その結果学習指導の各局面に応じ,学習方式を選び有機的に組み合わせて最適の指導をしたいという動向がみられてきた。

学習指導の最適化はこの実践を自覚化し筋道を立て論理的な骨組みをもったものにしていくことであり,今後の重要な課題であるとのべている。

学習過程は,子どもが異なり,目標が異なり内容が異なればその都度ごとに学習過程が異なってくる。いいかえると学習過程(y)は目標(X 1 )発達(X 2 )教材(X 3 )等を独立変数とする従属変数である。

つまりy= の関数関係をなしているものであるとおさえ,学習過程の最適化とは,「諸変数に応じてそれに即した学習過程をとり出すことであり」学習指導の最適化とは「学習に関する諸変数をよく組織し統制して,すぐれた学習成果をあげさせていこうとするオペレーションである」と概念規定をしている。

(2)学習指導の変数

学習指導はかなり多数の変数からなっているが,次のふたつに大別できるとしてあげている。

 主要変数………学習目標,教材,学習者
 副次変数………教育技術,教具

これらの個々の変数に即した最適化と変数の組合わせに即した最適化について考察を進めている。

(3)最適化のすすめかた

最適化の作業をふたつあげている。

 <1> 個々の変数に即しての学習過程の最適化

  (ex 発達変数に即しての最適化)

 <2> 変数の組合わせ(変数システム)に即した学習指導の最適化〔ex 低学年の子に(発達変数)表現教材(教材変数)を学ばせ技能の熟練(目標変数)をえさせようとする〕

 <1> のすすめかた

表1 個々の変数にそくした最適化(並列結合)
表1 個々の変数にそくした最適化(並列結合)

(2)のすすめかた

表2 変数システムにそくした最適化(順列結合)
表2 変数システムにそくした最適化(順列結合)

(4)目標に即した最適化

主体的な学習過程と受容的な学習過程があげられるが両者の学習過程の基本段階を知的題材,表現題材,技術題材ごとに例示している。

 知的題材………直観し,分析し,総括する。
 技術題材………範例を見,型を習得し,練習する。
 表現題材………印象をもち着想,構想をたて,表現し鑑賞する。

題材のもつ目標変数によって最適化が考えられると述べている。

(5)教材に即した最適化

つぎに教材変数に応じた指導案における学習過程の組みかたが異なってくることをあげている。

教材変数を,1基礎教科,2内容教科,3芸術教科,4技術教科の4つの変数に大別し基本過程→高次目標変数の累積によって生じた主体的学習過程を教材変数に

表1 情報処理における内部過程・能力・教材の対応
表1 情報処理における内部過程・能力・教材の対応

・基礎教科(国語科と数学科)
・内容教科(社会科と理科)
・表現教科(音楽科と美術科)
・技術教科(体育科と技術・家庭科)

の4つの教科としてとらえている。


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