福島県教育センター所報ふくしま No.17(S49/1974.9) -011/026page
中 学 校 教 材
住空間指導のための作業分析の一方法
−教材・教具の開発を中心として−
第2研修部 佐 藤 清 子
1.はじめに
中学校における住空間の指導は,「生活を明るく豊かにする」人間活動を中心に内から外へむかっての考え方を生徒ひとりひとりによくつかませることをねらいとしている。人 間 → 家 具 → 住空間 → すまい
住空間を考える場合の基本になるのは人間であり,その人間に最も密接な関係をもつものは家具であるから,そうした立場から住空間の機能を理解する上で,人間と家具の結びつきを知ることはたいせつである。
家具の形状と寸法は,使用者の体位,動作などに適合する必要があり,これが作業能率につながる。家具と空間の機能を生徒に理解させるための実験方法として,または指導の際の資料作りの方法として「作業と作業域」について紹介する。
2.作業と作業域
1.洗面器の高さと洗面所の空間
(1) 目 的
サイクルグラフの方法を応用して,洗面器の高さをかえて,被験者に洗面の動作を行なわせ,撮影し,その結果から設備や器具の機能寸法の求め方を理解させる。(設備などの関係で撮影しない時は,動作を観察させるだけでもよい。)
(2) 実験方法
1)用具・材料
身長計,巻尺,ポラロイドカメラ(または普通のカメラ)三脚,50o方眼パネル(900o×1,800o)2枚,これは模造紙にマジックで書いてもよい。洗面器(図1),フィルム,洗たくばさみ,ビニールテープ,豆ランプ8個(携帯用電源付図2,図3),この電源箱は当センター第2研修部の物理,技術・家庭担当の柴田宣教が考案し,作成したものである。
豆ランプ回路作成材料表
材 料 名 個 数 価格(円) 豆 電 球 2.5v 8 400 豆 電 球 ソケット 8 360 中型マイク,ジャック 8 760 シールド線,外径2o 1m×8 560 スナップスイッチ 1 180 アルミシャーシ20p×10cm×5cm 1 450 アルミ板(1o) 25cm×10cm 1 150 合 計 金 額 2860