福島県教育センター所報ふくしま No.17(S49/1974.9) -012/026page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

2)方 法

準 備

1 室内を暗くできるように準備する。

2 洗面器およびパネルをセットする。(図4)

3 被験者を5名選ぶ

4 被験者を軽装にさせ,次の項目について測定する

  身長,眼高,肩峰高,肘頭高,肩幅

5 被験者の頭頂部,肩部,中指先端部,肘頭部,背部最突出部に豆ランプを装置する。(図5)

6 カメラの位置を決める。動作域がカメラのほぼ中央になるように撮影の位置を決める。

7 試写して撮影の条件を決める。

図4 実験室の配置
図4 実験室の配置

実 験

1 洗面器の実験の高さは,次の3種とする。

  600o,750o,900o

2 洗面器のおのおのの高さについて洗面の動作を行なわせ,撮影する。

3 被験者にそれぞれの高さのときの使いやすさについての意見を聞く。

4 試験者は,設備器具と人体動作の関係を使いやすさの観点から観察し,気づいたことを記録する。

 
図5 豆ランプの着装
  図5 豆ランプの着装
図6 洗面の動作
  図6 洗面の動作

 図6の洗面の動作は,教室に黒幕をはり,動作に必要な程度のあかりを残し撮影した。カメラは35o版1眼レフ,フィルムはSS使用。方法は動作にかかる直前にカメラシャッターを開き,この際シャッターはB(バルブ)にし,動作の間シャッターをおし続け,動作が終った時にシャッターを閉じた。しぼりは8にした。この写真では人間がはっきりしないが,人間もはっきり出すには,動作が終った時一瞬ライトをつける。この後の収納作業における動作研究の撮影にはライトを使用した。暗い部屋で撮影した場合は,光跡以外は画面に写らない。そのためライトをつけ,その場面をフィルムに写しておくと分析の際便利である。

  測 定

 1 被験者に使いやすさについての意見を聞く。

 2 撮影した写真によって身体各部の動きを調べ,次の事項から使いやすさを判定する。

  a 上部の曲がりぐあいと腰の疲れ

  b 手洗,ひじの上下関係と水のしたたり

  c 頭や上肢の動きの円滑さ

 3 写真から前後方向に必要な最大寸法を測る。

 4 動作の範囲とそこに置かれる器具の大きさ,ゆとり,などを考えて洗面所の内のり寸法をどのように決めたらよいか考える。

(3)実験結果と考察

 〔人体測定値〕

 被験者の測定値を表1の要領でまとめ,解析に当たっての参考資料とする。

    表1 人体測定値

    被  験  者 身長 眼高 肩峰高 肘頭高 肩幅
A   162 150 133 102 38.5
B            
C            



           

 

 〔洗面器の高さ〕

 おのおのの高さごとに表2の要領で使いやすさの結果をまとめ,からだの寸法との関係で適当な高さを判定する。

    表2 使いやすさの評価

高さ 75cm
被験者 実    験 測   定 前後方向
最大寸法
被験者の訴え 試験者
の観察
a b c
A 動作が楽である 適 当 1m
B            
C            



           

 ◎○△×の評価で記入する。

 このような実験を行なうと使いやすい洗面器の高さは身長の何パーセントに当たるかがわかる。同じような考え方で調べてみると,調理台の高さ,アイロン台の高さなど室内の設備や道具の適当な高さのおよそのめやすは身長から求めることができる。

 2.収納作業における動作研究

(1)目 的


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。