福島県教育センター所報ふくしま No.17(S49/1974.9) -014/026page

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X-Y プロッタでのグラフ描き

第3研修部   金 澤 義 夫

 

 コンピュータ言語をまったく知らない方でも,X-Yプロッタ装置がつかえるように,ここではこの装置固有の言語だけで動かせるようにしてみた。

 そして,言語(命令文)も4つに限定してみた。

 折々に,後記の問題を解いて,当部に通信をくださることを期待している。

 ときに,奈良県等では農業科,家庭科で自動製図を実習している。

 最近,コンピュータのハードウェア,ソフトウェア両面にわたる急速な進歩にともなって,種々な入出力装置の開発と利用がさかんである。

 なかでも,図形と文字情報の表示による自動製図,デスプレーによる動画,数値データのグラフ表示等の処理は興味深い内容というだけではなく,広く有効な応用分野に役立っている。

 そして,ハ−ドウェア,ソフトウェアが高度になるほど,マン・マシン・コミュニケーション(人間と機械の相互情報伝達)が容易にあつかえるようなシステムに対する要求が高まっている。

 ここに紹介するX-Yプロッタは,この要求に応える出力装置のひとつである。

 この装置はフォートランと併用できるので,数値処理をカーブ表示で得たいとか,統計処理をグラフ表示で得たいとき等に便利である。

 実例では,誘導電動機の特性をしらべる円線図を,この装置によって描かせている方もいる。

 さて,本論に入ろう。

 当部の「X-Yプロッタ装置」は1枚の制御カードと以下にのべる5個の CALL 命令によって動かせる。

 そして,グラフを画くならばデータをリードさせるだけでよいし,ある結果がカーブになるならば,演算のあとで計算機内部の数値を CALL 命令のパラメタに与えるようにすればよい。

 まず,XY-PLOTTER の一般的な約束をあげてみる。

 1.プロット方式

      X 方向 ドラムの回転方向(前後)

      Y 方向  ペンの移動方向(左右)

紙とペンの進行方向

2. プロット出来る大きさ(移動範囲の限界)

      X 方向  35〔m〕 (紙長とみる)

      Y 方向  270〔mm〕(紙幅とみる)

3. 角度の単位は〔度〕である。

4. 絶対量の表示は〔mm〕である。

5. プロットの線

      直線または直線近似である。

6. 変数名はフォートラン文法に従う。

7. プロットは常に原点より計算する。

8. 指定によりプログラムは紙カードによる。

  つぎに CALL 命令文を紹介する。

9・1
  CALL_SET

   この命令でペンの初期位置が設定される。

   ペンは UP 状態で Y 軸の中心にとまり,その位置を「原点」とする。

9・2
 CALL_PLOT(X, Y, IP)

   X,Y  実数で単位は〔mm〕である。
       ペンを原点から(X,Y)まで動かす。

   IP   つぎのような整数を与えると機能により,ペンの状態などがかわる。

      IP=0 とすれば・ペンは現在のままの状態で移動する。

      IP=1     ・(同上)

      IP=2     ・ペンは DOWN 状態(紙にふれて)移動する。

      IP=3     ・ペンは UP 状態(紙をはなれて)移動する。

      IP=999    ・X-Yプロッタ装置にあたえたプログラムの終了を意味する。


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