福島県教育センター所報ふくしま No.17(S49/1974.9) -017/026page
学習活動の基礎資料
児童・生徒の社会認識に関する研究
男女交際についての考察
研究・相談部 金 木 和 子
1.調査にあたって
標記の研究テーマについては,第1年次と2年次のまとめを発表したが,今年度は第3年次の研究であるので調査内容を拡大,補充して調査をすすめた。
そこで今回は,昨年度と同じく異性との交際のあり方,現代っ子の異性観にスポットをあて,2,3の点をあげ参老に供したい。
1 調査対象と調査方法
小学校6年,中学校2年,高校2年を選定した。
それぞれ思春前期,思春中期,思春後期に該当する学年と考え地域性は,都市部と農村部とがほぼ同数になるよう抽出した。調査人員は,676名で質問紙による調査と一部に面接調査を加味し実施した。
2.男女交際は,どのような状態でしょうか。
〔調査1〕 いつごろから 異性を意識 するようになったろうか。
(調査月日 昭和48年9月以下同じ)
異性に対する関心は,小学校高学年から中学校1年をピークにして関心を増すのがわかる。中2以後は,下り坂の状態で,比較的分散している。
これは異性を意識するのが,過去の記憶にさかのぼって求めることが,やや困難の点があり,いつごろかよくわからないという者が,小学校で半数以上,高校女子で42%の者がはっきりしないという。それで上記の調査は,総括的傾向ととらえてよかろう。
ただ昭和47年度の調査(略)と比較すると年々児童,生徒の異性意識が,低年齢化するのがみられるが,このことに対する配慮が,いっそう重要なことになるのだろう。
〔調査2〕 異性と 交際するきっかけ は,おもにどんなことでしょうか。(中・高校生)
中・高生のプロフィールをみると,勉強,スポーツ,趣味,クラブ活動,学校の話が交際の中心になりやすい。学校生活の話題は男子より女子が多いし,目的的交際がみられる。
漸次好意をもったからというのが,中学生より高校生にいくにつれて高率になっていくのがわかり,少しずつ感性的な異性交際が芽生えてきて,思春期の異性愛の芽生えが,このような現象を起こすのもうなずける。現代っ子の異性交友は,割合隠しだてせず開放的にふるまうのは好ましいが,積極的行動(友だちの紹介とか相談相手のほしい交際)が10パーセント前後あるのも見逃すことはできないであろう。
また異性思慕が理想化へ走ったり,一方的な考えにおちいり生活を直視しえない言動がでて(好意のみの交際)実際にゆきずまる男女交際になり,マナーがかけ,実害のでる男女交際は,注目すべきである。
〔調査3〕 異性の 友だち を もたない のは,なぜでしょうか。