福島県教育センター所報ふくしま No.17(S49/1974.9) -019/026page

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 男女交際について親と話し合ってないのでわからないというのは中学生に多く放任型の状態であるが,高校にくるとやや減少ぎみではあるが,全体として62.1%みられ,対話的ふん囲気の少ない状態がうかがわれる。また男女交際を自由に認めたり,紹介しあえばよいという責任ある交際(指導型)を示すのが,全体の18.9%で全体の5分の1にすぎない。しかし女子については,指導型と拒否型が男子にくらべ多くなっているのが目立つ。

 また時期尚早とか無理解で親が認めていないのが,全体の6分の1みられ,男女の自由な接近をこばみ,昔ながらの交際を望む者の多いのも忘れてならない現状である。

 〔調査6〕 あなたは,不安やなやみごとは, だれに相談 するのでしようか。

(単位%)
選 択 肢 学校 小学校 中学校 高校 全体
性別
1.父  親 9.7 1.8 4.3 1.6 1.0 0 3.1
2.母  親 39.5 44.2 12.9 15.2 2.0 10.0 20.6
3.教  師 0 0 1.7 0 0 1.0 0.5
4.親しい友達 32.3 36.0 42.3 74.4 74.0 67.0 54.3
5.上級生や先輩 0.8 3.6 0.9 0 2.0 2.0 1.6
6.おじ、おば 2.4 1.8 0.9 0.8 1.0 0 1.1
7.兄 や 兄弟 8.1 8.1 7.7 3.2 2.0 9.0 6.3
8.そ の 他 7.2 4.5 29.3 4.8 18.0 11.0 12.5

 児童・生徒のなやみごとの相談相手は,家族関係総計が31.1%ぐらいであるが,性の分野では子どもたちは,自分の世界をもっている。ほとんど友人関係が,半数以上で家族と相談するのは,男子より女子が多い。中学校では相談することにより友だち関係の親密度が深くなる

 友 だ ち 関 係   55.9% 

 家 族 関 係     31.1  

 その他   教師     0.5  

ようである。教師への相談は,0.5%で皆無に近い状態にある。これは性の情報源の結果と同じく教師の影響は,この分野においては少ない。これは教師の系統的相談より友だちの断片的相談に左右されている。したがって性へ過度の反応を呈する様相がでないようにしたい。

3.面接調査からみた意識の傾向はどうか。

 中学2年,高校2年の男・女30名ずつにインタビューした結果を要約しあげてみる。

  印象的な発言内容 (注 T…インタビュアー,P 1 …男子,P 2 …女子生徒)

 T  異性交際のよい点をあげてみましょう。

 P 2  のんびりムードを脱出し刺激される。

 P 1  話し相手がでて欲求不満の解消になる。

 P 2  おたがいの人間性の理解が将来のために役立つ。

 P 1  互いの情報交換ができ,励ましを与えられる。

 P 1,2  自分の考えを気軽に話し,相手よりたしかめられる。(例 教師,学習,読書,テレビ,困難や失敗談など)

 T  男女交際をして不安を感じるのは,どんなときでしよう。

 P 1  うわさやひやかしの対象にされると不安である。

 P 2  気が散って勉強に身がはいらない。

 P 1  性格と行動の一致がくずれ,感情的になる。

 P 2  精神的に頼れる人でないと不安がつきまとう。

 P 1  女性は,一般におしゃべりだから不安になる。

 P 2  異性との意見のくいちがいが,煩わしさをうむ。
     共感を呼ぶ人,趣味の同じ人でないと不安

 P 1,2  親や教師,友の言が気になり不安となる。

4.まとめ

 小学校は友だちと仲よく遊び自然な形で育っている。中・高生は異性に強い関心をもち異性の友をもつ者は約40%で,1対1の交際は10%前後,その他はグループ交際をしている。周囲の人は.男女交際について一部で容認するが正しく理解しえない拒否型と放任型が,全体の77%もあり健全な育成はされていない。しかし交際の程度や考え方は明確な判断基準は見当らないようである。

 適当な相手のいない者,交際のしかたのわからない者,交際は勉強のさまたげになるし年齢からみて早いと周囲をうかがう者などが大部分である。それで中・高生の男女交際は,異性と交際を強く望むタイプと憧れとして終わるタイプと静かにして強い関心を抱くことなく送る三者のタイプがある。いずれにしても約4割が異性と接し,高校女子の約4割が年上の男性と交際している実態がえられた。そこで真に男女交際の正しいあり方を理解しあい,現状のなかから人間としての生き方をみつめ,互いに人格を認めあい,尊敬心と協調心を養う男女交際でありたい。

 面接調査で「男女交際の長所は」と質問したところ「相手のよさがわかり,生活への楽しさと励みがわく。」と率直に答えてくれた高校生のことばがいまなお印象に残っている。


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