福島県教育センター所報ふくしま No.19(S50/1975.1) -015/026page
TP 1
フローチャートと電子計算機のしくみ ―計算結果の記憶と印刷― ○ 電子計算機のしごと カード1枚ごとに,データを読みとり,合計を計算・記憶し,出カ領域に移して印刷する作業をくりかえす。
TP 2
記憶場所の変化 情報処理教育においてO.H.P.の利用範囲はかなり広く,板書的利用法や,チャート的利用法別名フリップチャート(掛図)的用法とも呼ばれるもの,オーバーレイ法(重ね合わせ法)やポインティング法などがある。また試問的に発問するさいや,プログラムの説明をマスキング法(部分映写法)により映していき,流れ図との関係やコーディングの過程を生徒に理解させ知識の定着をはかっていくなど有効である。書き込みや抹消が自由であるから,トレースやデシジョン・テーブルの説明などに最も適している。
デシジョン・テーブルの例をあげてみよう。
TP3 売上日報作成のデシジョン・テーブル
テーブル名 売上日報 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 データは終りか N Y
データを1件読む × ×
合計金額の計算 ×
データ1件の編集 ×
データ1件の印字 ×
合計金額の編集
×
合計金額の印字
×
〔使用上の留意点〕
(1) TP補助テキストを作成して配布する。投映して説明する場合には,説明文に変化をもたせる。
(2) 1シートあたりのTPで投映できる文字や図には制約があるので,2台のO.H.P.で投映できるようにすればよい。
(3) TPの説明をテープに録音しておくのも一つの方法である。
(4) 市販されているシートは,裏面に印刷がなされているので,着色したり文字・記号等を追加する場合は,表面にO.H.P.ペン(水性)で記入できる。
(5) 疲労防止上,1回に約5分以内投映するとよい。 2. V.T.R.(Video tape recorder)
V.T.R は手軽な記録と即時再生か可能であるという機能を生かして,教材を提示する機器である。
情報処理教育への適用はマシン・オペレーションの状況を生徒に見せる場合や学習進度におくれた生徒に対する補講として用いる場合など最適であリまたCOBOLやFORTRAN初級講座,判別編成(各版5名)による研修を実施し,そのうちでもっとも初歩的なグループに用いた。COBOLについては,データの流れ,図1や領域図などを即時再生の機能を発揮させ納得の行くまで,テープを視聴してもらい,そのあとでさらにフォローを行い完全に理解できるようにした。受講生すべてが領域図の動的提示によリ各領城の関係が明確に理解できたと述懐している。