福島県教育センター所報ふくしま No.20(S50/1975.3) -003/026page

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表1
表1

て,横に並んでいる各行の統計数字が何であるかがわかる。表側には表頭とは逆に,分類の数が多かったり,細分の段階がかなりくわしいものが普通配列される。表1の場合には,表頭には面積,人口,人口密度の3項目が並べられ,表側には各都道府県名など48項目が並べられているが,これを逆にした場合には,表が読みにくくなるようである。なお,時系列,場所的系列,度数分布表の階級区分は,この表側に書かれることが多い。

5  表体  数字が記入されている部分を表体とよぶ。表1では合計欄が,沖縄を除き,最下部に示してあるが,最近は,全体的な展望がすぐ見られるように利用者の立場を考慮して,合計欄を最上部または最左側にもってくる表が多くなったようである。また,都道府県を5行ごとに空白部を設けて,表を見やすくしているものもある。

6  出所および脚注  他の報告書や年鑑から引用した場合には,より深く知りたい利用者のために,その出所を明示するのが普通である。原典をそのままの形で引用した場合には「……より。」とし,加工して引用した場合には「……による。」として,引用のしかたを区別する方式もある。引用文献名を記すことは,原典に対する敬意を払うとともに,調査主体の責任の所在を明らかにすることにもなる。

 表題ならびに表頭・表側について,あるいは表体の中の特定の数字について,説明を要する場合には,1)2)3)のような番号,*のような記号,a)b)c)のような小文字をかたわらにつけて,表の下で補足する。これを脚注とよんでいる。表1のように「含まず」「含む」などの限度を加えたり,ある年次だけ異なっている定義を加えたりなどする。

(2) 統計表作成上の留意点

統計表作成については,主として,教師が既製の統計書から教材用の統計表を作成する場合には,次のようなに留意する必要がある。

1 学習指導の目標に応じて,比較しやすいものにする。

 形式的,機械的に統計表のわく組を作るのではなく,調査のねらいがわかりやすく見られるよう桂表でなければならない。一般に上下に数字を並べたほうが,左右に並べたものより,あるいは飛びはなれているものよりも比較しやすいから,比較の目的,観点などを考えて表側の項目を決めることが望ましい。

2 数字の詳しさは学年の発達段階に応じる。必要以上に桁数の多い数字は判読しにくいものである。したがって,必要以上に詳細な数字を記入することのないようにしなけれぱならない。

3 分類の組み合わせは,必要最小限に限る。さまざまな観点から綿密に分析してみる必要のあるものは別として,一般に四次元以上のこみいった表はなるべく避ける。意味のなさそうなものは省き,意味のありそうなもの,関係が予想されるものなどを精選する。

4 できるだけ簡略された様式を用いる。分類項目の数を減らすとか,ある基準以上の割合でみるとか,平均で代表させるとかして,全体の特徴・傾向・関係がつかみやすくなるようにする。

5 比率や指数の算出は,意味のあるものだけに限る。

6 表体に数字を記入する際,次のような標準的な方式を利用すると便利である。

 ー 該当する数字(対象)がない。
 0 単位未満である。たとえば,1,000人単位では500人未満は0となる。
 … 不詳であることを示す。調査しなかったとか,調査したが結果が得られなかったとかの場合である。
 p 推定数字であることを示す。presumptionの略号である。
 r 訂正数字であることを示す。revision の略号である。
 X 調査の結果,数字は明らかになっているが,統計法に基づいて発表できないことを示す。

特に,一とOとの意味の違いについては,児童に説明しておく必要がある。算数で便う0と,統計表における0とは意味が違うのである。

(3) 統計表の見方

統計表を読むには,第1に,表題によって作成者の意図を知ることである。第2には,脚注や出所を読んで,どんな機関が,どんな方法で作ったものかを見る。できればより詳しい原典にさかのぼることが望ましい。それによって,定義の変更や標本の選び方たども知ることができる。第3には,全体を概観してから部分に移り,2


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