福島県教育センター所報ふくしま No.20(S50/1975.3) -016/026page

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◇研修部◇

学校経営(A)講座(101)

 この講座は,小・中学校および高校として,年間3期,計12日間にわたって実地した。研修の内容としては,学校経営の合理化,効率化をはかるための講義のほかに,自校がかかえている課題の解明に取り組んできた。この研究では,教育研究法にもとづく緻密な調査や観察をもとに問題の客観化を意図し,日々の実践を通して明らかにしようとしたもので,その成果を「研究報告書」としてまとめることができた。 今回の研究で明らかにされたことは,むしろ,各校が学校経営の改善をはかるための糸口でもある。これをもとに,さらに継続した実践の積み重ねが望まれる。

学校経営(B)講座(102)

 小・中学校の教務主任や学年主任などの立場の,いわゆる中堅教師として学校経営に参画している26名の先生方を対象するこの講座は,年間3期12日間にわたり,学校,学年,学級経営上の諾問題について「研究の主題」を自分の所属する学校や地域との関連において決定し,相談,協議,演習などによってすすめてきた。本年度は〔校内研修計画,運営,実践に関する諸問題」と「学年,学級経営上の諸問題」の課題に焦点化され三理論と実際の両面から検討を加え,研究報告書としてまとめられた。研究の内容も充実しており,今後の学校経営の改善ために有効な資料となるものと思われる。

地域指導者講座(l03)

 この講座は,年間4期,20日間の長期研修で,小・中学校の中堅教員を対象に教育研究法・教育方法等の専門的識見を高めることを目的として実施するものである。 本年度の参加者は,小学校14,中学校17の計31名で、研修内容・方法は,学習指導・教育研究法などについての講義と演習,さらに日常の教育実践上の諸問題から主題を選び,それぞれの在職校で実践研究をする主趣研究とからなっている。本年度は,研究をより深めるために教科別領域別に担当所員との相談の機会を多くとり成果の向上をはかった。なおこの研究報告書は年度末に県下各小・中学校に配布するのでぜひ御活用願いたい。

小学校教育工学講座(l04)

 昨年度は,講座日数が短いという反省が多かったので,本年度は,1日延長して5日間とした。講座内容は,教育の現代化と教育工学,プログラム学習とプログラミング,OHPの活用法とTP作成,授業のシステム化とフローチャート,アナライザの特性と活用法,VTRの特性と教材制作,シート式磁気録音機,教育機器活用の諸問題とし,教育工学の基礎的なことを一通り研修できるようにした。いずれも,講師の懇切な指導と受講者の熱心な研修によって,期待どおりの成果をあげることができた。しかし,経験差などによる問題点もあるので,来年度は,さらに内容や方法の改善をはかりたい。

小学校国語講座(107)

 国語科教育について研修を深め,指導カを高めることを目的としたこの講座には,80名の先生方が参加された。ラジオ福島・佐藤先生の「朗読の指導」,棚倉小・斎藤先生の「詩の指導」では,黄重な実践をもとにした講義のあと,指導上の問題点の話し合いや教材の朗読演習を行い,予期以上の成果を収めることができた。また「読書の指導」や「文学作品の主題研究」では,討議に熱がはいるあまり,時間がたりないという注文まででた。最後は,福大・村上先生の講議「読むこと,書くことの指導」で5日間の日程をしめくくることができた。来年度も先生方に喜んでいただける講座にしていきたい。

小学校社会講座(llO)

 この講座は,小学校の先生方80名を対象に,社会科の基礎理論,効果的な指導法等について研修を深め,その識見と指導力を高めることを目的として実施した。講座内容は,「社会科教育の諸問題」「歴史学習の進め方」「福島県の地域開発」「地図の活用と作図」「教育研究法」「地域観察の学習」「社会科における評価」などであった。本年度は,午後の講座を演習とし,作業をとおした研修を実施したところ,大変好評であった。特に,バスを利用した巡見学習「地域観察の学習」は,有意義でよい成果を得ることができた。次年度もより充実した講座となるよう計画.し,実施したいと考えている。

小学校算数講座(113)

 研修は現代化の背景と性格を究明するため,斯界専門家の講義を組むとともに,児童の発達段階と教材とのかかわり合いをさぐるため,算数教育と学習心理について解明をはかり,あわせて集合,関数,確率等の教材の取り扱い方と指導の要点についてあすからの算数・数学教育と直結させるため,付属小遠藤先生,古関先生,佐倉小浜名先生の実践的講義をいただいた。 参加された80名の先生方はいずれも積極的に研修にとりくみ,期待通りの成果が得られたが,演習,協議の時間と場がもうすこしほしかったという反省があげられた。次年度は各領域のTP作成なども加味したい考えである。


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