福島県教育センター所報ふくしま No.20(S50/1975.3) -018/026page

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小学校教育相談講座(401)

 本講座は,例年と同じく小学校教育相談の基礎理論の研究と,教育相談の推進を目的として実施された。内容は, 1)教育相談の問題点 2)WlSC知能検査実習 3)遊戯療法の理論と実習 4)現代児童の性意識とその問題点 5)児童期の精神障害 6)教育相談のすすめ方 であり,協議・講義・実習とバランスがとれていたものと思われる。反省としては,協議を通じて高校・中学に比して,小学校における教育相談は,まだまだ未発達の過程にあることがわかったので,次年度の講座には,この点の改善に関する講座内容をとり入れていきたいと思う。

中学校教育工学講座(l05)

 昨年度は,講座日数が短いという反省が多かったので,本年度は,1日延長して5日間とした。講座内容は,昨年度とほぼ同様にし,教育工学の基礎を一通り研修できるようにした。とくに本年度は,できるだけ演習を盛り込んで,現場の実践にすぐ結びつけられるようにした。「教育の現代化と教育工学」については,東京都立教育研究所の岸本唯博先生の講義が受けられ好評であった。その他の内容も,講師の懇切な指導と受講者の熱心な研修で,期待どおりの成果が得られた。しかし,経験差や学校の設備状況のちがいからの問題点もあるので,来年度は,これらのことについて改善をはかっていきたい。

中学校国語講座(l08)

 例年同様,中学校国語科担当教員80名を対象とし,国語科教育の理論と実際の両面の研修を目的として実施した。理論面では詩のよみ方(福大・菅野先生),読むこと書くことの指導(福大・木村先生),説明文の扱い方(福高教頭・斎藤先生)の講義,実際面では,読書指導,古典(万葉集,唐詩),文学(走れメロス),教育機器の活用などについて協議,演習を実施した。「現場で活用できる内容であった」という反省が多かったが,それは受講者の積極的な参加がもたらした成果であり,来年も楽しく豊かな研修を心がけていきたい。

中学校社会講座(111)

 この講座は,、中学校社会科担当の先生方80名を対象に,社会科教育の基礎理論,効果的な指導法等についての研修を深め,その識見と指導力を高めることを目的として実施した。講座内容は,地理・歴史・公民の三分野にわたり,教科の専門的な内容について,講義・協議・演習を実施した。また,現場の実践をとおした「指導上の諸問題」について,活発な話し合いが行われた。本年度は,午後の講座を演習とし,作業をとおした研修を実施したところ,大変好評であった。特にバスを利用した巡見学習「野外の観察と調査」は,よい成果を得ることができた。次年度も講座内容をより充実したい。

中学校数学講座(114)

 この講座は,中学校数学科担当教員80名を対象とし,数学的構造,推論と証明。数学の基礎概念(集合,関数,確率)。統計の考え方とデーターの扱い方(ノン・パラメトリックな検定,統計とコンピューター)などの内容をとりあげ,9月3日から9月7日まで,10月1日から10月5日までの,それぞれ5日間ずつ研修を行った。研修内容はいずれも現代数学を背景とし,数学教育の中核ともいうべきことがらであるため,研修に参加された80名の先生方は,毎時の授業の中で当面している問題を解決しようとする積極的な態度であった。次年度は,工学的手法等を加味した内容もとり入れていきたいと思う。

中学校音楽講座(l17)

 講座内容は,「たて笛の奏法」「発声法」「指揮法」「ギターの奏法」「箏の奏法」たどの,教師の技術の向上を目ざした実技研修と「基礎の理論と指導」や「日本の音楽の指導法」の取り扱い方や指導方法などの指導技術の研究考察が行われた。特に音楽教育の中でこれまで重視されなかった日本の伝統音楽を教育の場にどのように取り入れるか。教師の大きな悩みの一つであるが,箏の奏法や日本の音楽の指導法を通して,はだで直接触れ,体を通して日本の音楽の美を体験できたことは,これからの指導に大きな支えとなることと確信し,さらに講座の充実をはかっていきたい。

中学校美術講座(120)

(1) 川俣高校大谷英輔講師と所員による工芸とデザインの講義と実技
(2) 所員による粘土教材の取り扱いについて
(3) 目黒衛県教委指導主事と所員および中学校現場より6名の先生方を講師におねがいしての金属工芸と,木材工芸の実技
 上記のとおり中学校で新指導要領でとりあげられた,工芸部門の全領域について研修を行った。内容が多すぎたが研修生が時間外まで白主的に研修され,予期以上の成果があがった。来年度は,彫塑と工芸の二部門に分け,希望する部門の研修ができるよう予定している。


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