福島県教育センター所報ふくしま No.21(S50/1975.6) -015/025page
員として仕事に関心のむかない状態と,とりきめの手伝いもなく,無計画・無目的のパターンがあらわれて責任を果すことなく,学習一辺倒の生活がみえだしてきている現状をみのがしてはならないであろう。
3. まとめ
家庭生活の状況をとらえる一つの基礎資料として,手伝いの状態はどうか,約束ごとの有無と実行態度はどうかなど,現在の子どもたちの手伝いの意識の傾向を探ることを目的とした。
全般的にみて, 1 学年が進むと低率になり実行もされていない。2 手伝いの種類には性差が認められない。3 手伝いは将来の生活に役立つとの意識たどがわかった。しかし,タテマエと本音のズレがあり実行には移されない点が目立つので,今後の家庭教育では,自主自律の生活の基礎となる仕事に目をむけさせるべきである。
4. 基礎技能の発達状態は,どんなでしょうか。
調査3 小刀をつかって鉛筆が,いつごろけずれるだろうか。
刃物をもたない運動が提唱されてから久しくなった。そこで小刀が使用できるようになったのは,いつごろなのか聞いてみた。図3と4は,個々に答えた集計であるが,男子は小・3年がピークになり,女子では,5年生が3年時で,6年,中2年が4年時で,ピークに1年のズレがある。
調査4 電話のうけ答えが,いつごろできただろうか。
全体としては,地域差がやや認められたものの,男女差によるものの方が,著しいことが認められた。何年から電話の応待が正しくできるようになったかについては,低学年調査群が高率で,小6と中2のピークがズレているのをみても、時代の動きの早さがわかる。女子は男子より話すことに積極的な興味をもつためか,沈黙が金になり…という玉条が男子に多く課せられたためか.女子のほうが男子より電話の応待が巧みといえよう。