福島県教育センター所報ふくしま No.21(S50/1975.6) -018/025page
2. 研修組織は,テーマの設定や研修計画の立案をするうえで,問題となることはないか。
研修計画の策定と組織との関係をとらえるために,テ一マの設定や研修計両の作成で中心的な役割をなしたものを求めた。その結果は第3表のとおりである。
第3表 テーマ・計画の策定者(規模別)(2つ以内で選択) % 種別規模 小学校 中学校 学級数 1〜6 7〜17 18〜 計 1〜6 7〜12 13〜 計 (ア) 学年主任会や教科主任会 1.6 6.0 10.8 6.2 3.7 5.5 6.7 5.8 (イ) 現職研修部 40.3 43.3 35.4 39.7 44.4 37.8 40.0 40.3 (ウ) 特別に構成した組織 9.7 13.4 20.0 14.4 11.1 16.2 17.3 15.8 (エ) 全員による協議会 48.4 35.8 33.8 39.2 40.8 40.5 36.0 38.1 (オ) その他 0 1.5 0 0.5 0 0 0 0 (イ)と(エ)が目立って高率であるが,(工)は原案を決定する場であることも考えると,実質的には,(イ)現職研修部が計画作成に当っているとみることができよう。計画作成のし方を類型的にとらえてみると,およそ次のようである。
(1型)……現職研修部に作成をまかされており,最終的に全員協議会にかけられている型
(2型)……現職研修部はタッチせず,全員協議会,特別委員会,学年主任会(教科主任会)などで作成にあたっている型
(3型)……現職研修部と特別委員会,あるいは,現職研修部と学年主任会(教科主任会)との組合わせで協力作成している型以上のことを,前項でのべた,部制でかつ主任・副主任以外に役割分担をしていたい場合(第1表ア・イのタイプ)についてみると次のとおりである。
1型の比率が最も高く,3型の比率は予想外に低い。
部内の役割分担が主任・副主任だけの1型の場合は,テーマ設定や計画策定上における負担過重や民主的手続きなどの点で問題がのこらないだろうか。
また2型の場合は,研修部の存在や機能などの点で問題がのこらないかなど,検討されねばならない点を含んでいるように思われる。
3. 研修組織は,その活動単位との関連をはかるうえで,問題となることはないか。
研修活動の単位をどこにおいてすすめるのが適切か,研修課題と活動単位との関連をどうはかつてすすめるか,そのような研修推進を可能にするためには,組織上に問題が内在しないか,などの観点から検討を加え,学校の実情に即した研修体制を明確にすることが重要である。
(1) 第4表は,研修活動の単位をどこにおいてすすめているかについて調査した結果である。
これによると活動の単位は,小学校・中学校とも同じ傾向を示し「(ア)学校全体の単一組織」が目立って高率を示し,「(ウ)教科部を単位とした研修」「(イ)学年単位の研修」はたいへん低率である。
これを規模別にみると,小学校・中学校とも学校規模が大きくなるにつれて,(ア)が(ウ)に移行してきているとみることができよう。
また,研究テーマと活動単位について調査した結果でも,「統一テーマを全員同一歩調で共同研究」が,小学校73.4%,中学校57.7%。「統一テーマを教科部単位で共同研究」が小学校11.O%,中学校21.9%「統一テーマを学年単位で共同研究」が,小学校9.2%,中学校3.8%という比率を示している。
学年や教科部単位の研究について,そのとりあげる課題や内容充実の問題,研究時間の確保などともからみあわせて,重視の方向で検討が必要でなかろうか。