福島県教育センター所報ふくしま No.22(S50/1975.8) -009/026page

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図−2 口腔
図−2  口腔

1.みぞ(内鼻孔) 2.口腔蓋 3.咽頭 4.舌

図−3 左足
図−3  左足

1〜4.第1〜4あしゆび 5.つめ

(4) あしの観察をする。

あしの下の方は角質のうろこでおおわれていて,第1〜4あしゅびからなり,つめがある。

(5) つばさの観察をする。

つばさの羽のはえかたを調べ,さらに羽をぬいてはだかにして,ヒトの手と比較してみると,骨のつくりがよく似ている。つばさは前あしに相当するといわれている。

3.内部形態の観察

(1) 解剖のしかた

1. 麻酔したヒヨコの腹面の羽毛を水でよく濡らす。腹面を上にして解剖ざらにのせる。つばさとあしをひろげて虫ピンで固定する。肛門(総排出孔)からくびの先まで,幅1cmくらいはさみで羽毛を刈りとる。

2. 腹面の皮膚をピンセットでもちあげ,図−4の番号順に皮膚とその下の組織をはがしながら切開する。

図−4 解剖の手順
図−4  解剖の手順

3. 腸壁の筋肉も同様に切開し,最後に胸骨を切断して左右に折り返して虫ピンで固定すれば内臓が露出する。

(2)内臓諸器官の位置・形・色などを観察し,またスケッチする。

くびのところに白い多数の軟骨輪からなる長い気管が縦走しており,胸部に入って左右の気管支に分枝している。気管の背側に黄色の食道があり,そのほぼ中央に鳥類に特有なそのうがみられる。切断した胸骨のところには薄い膜(心のう)に包まれた心臓がある。心臓の腹側に2葉からなる大きな暗紅色の肝臓がみられる。肝臓の右後方に中央が白くまわりが暗赤色をした大きな砂のうがみられる。図−5

肝臓をもちあげると砂のうの上方にややふくれたうす桃色の前胃がある。砂のうに続いて十ニ指腸と小腸があり,肝臓の下側には緑色のたんのうと,暗赤色の丸いひ臓が見られる。

図−5 露出した内臓
図−5  露出した内臓

1.気管 2.けい椎 3.食道 4.そのう 5.心臓 6.肺 7.肝臓 8.砂のう 9.小腸 10.十二指腸 11.肛門(総排出孔)

1. 心臓の観察

心臓は透明な薄い膜(心のう)に包まれている。心臓をもちあげてうら返し,肝臓とつながっている状態を調べる。心のうを破り心臓とつながっている血管をさがしてなるべく心臓から遠いところで切断して取り出し観察する。そのとき血管からは赤い血液が流出する。

心臓は2心房2心室に分かれており,前方のうすい壁の部分が心房で,後方のあつい壁の部分が心室でその境界附近に多少の脂肪が付着している。心臓の腹面の心室が左心室で,その右側の心房が左心房であり,他の部分が右心房と右心室である。どの血管が動脈で,どの血管が静脈であるか。また心臓の筋肉の収縮で血液が送られるしくみについて調べてみる。

図−6 心臓
図−6  心臓

1 右心房 2 左心房 3 右心室 4 左心室 5 動脈 6 静脈

2. 消化器官の観察

口腔のところで食道を切断し,口腔から肝門にいたるまでの消化管全体をビンセットでていねいにはがしていく。食道とそのうは膜に密着しているのではがすとき注意する。

そのうの下で食道と気管が交さしているから,気管に傷がつかないよう注意し,前胃の側から食道・そのうを引張り出す。つぎに肝臓・たんのうをつけたまま,十ニ指腸・小腸・盲腸・直腸を一緒に膜からはがして取り出し,最後に肛門のところで切断して0.9%生理食塩水の入ったシャーレに入れて,消化管のつながりや各部の形・色・大きさなどを観察する。図−7

図−7 消化器官
図−7  消化器官

1 食道 2 そのう 3 前胃 4 砂のう 5 十二指腸 6 すい臓 7 肝臓 8 たんのう 9 小腸 10 盲腸 11 直腸

食道のほぼ中央に黄色または灰色がかったそのうがあり,続いてうす桃色の少しふくらんだ前胃があり,少しくぴれて暗赤色のかたい筋肉の袋からなる大きな砂のうがある。前胃と十二指腸に通じる孔は前方に並んでいる。砂のうから出てU字形に折れ曲がった十ニ指腸があり,その間に桃色をしたすい臓がみられる。緑色のたんのうから十ニ指腸の後端に連絡しているのが認められる。十ニ指腸に続いて曲りくねった長い小腸があり,腸間膜が付君して血管が分布しているのがみられる。小腸の後端に左右1対の長い袋状のものがついているのが盲腸で,その基部から肛門までが直腸で短い。

※給餌直後ではそのうが肥大している。


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