福島県教育センター所報ふくしま No.22(S50/1975.8) -020/026page

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全 国 教 育 研 究 所 連 盟 の 動 向


研 究 ・ 相 談 部 今 出 昭 三



全国の国・公・私立教育研究所(教育センター)で組織している全国教育研究所連盟(略称「全教連」)があって,典同研究・研究協議会・研究発表大会などの研究活動や研究成果の刊行事業をおこなっている。今年度も和歌山県で発表大会が,また,大分県,茨城県では共同研究の第1回集会が開催された。

これらの集会から,活動の一部について,その概略をお知らせする。

1.共同研究について (会場,(1)水戸市,(2)大分市)

全教連では,昭和49年度から3か年計画で次の共同研究をすすめている。

(1) 「学校経営の最適化に関する研究」

<主旨>

学校経営の最適化というのは,理想的な経営という意味ではなく,与えられた学校条件の中で,教育の効果を高めるために,どのような条件をどのように変えたら,また,どのような条件を新たに加えたら学校経営がよりべターであるかを究明することである。

研究は「教師の指導効果を高める」にアクセントをつけ,それを学校経営という広い視野から考究していくものである。

<本年度の研究>

授業に関する教育経営の共同調査とそのまとめ。

この調査では指導効果を高める条件や要素,また反対に指導効果を阻害している条件や要素を明らかにして,各学校が問題点を改善していく指針をうるためのものである。

調査は,人・物・金・運営(4M)と計画・実践・評価(P.D.S)の視点から,1 目標,2 授業・教育課程,3 組織運営,4 研修,5 評価の分野についてなされる。

調査対象校は,各県毎に学校種別・規模別・地城別に,12〜24校を抽出して調査がすすめられ,本年度中に,共通調査集計結果の考察まで計画されている。

(2) 「教科における学習能力の発達と授業に関する研究」

<主旨>

学習者が教科の学習内容を理解したり,処理したりする過程で,学習者の能カがどのようにはたらき,また停滞するかについてメスをいれて,学習能力の形成過程を明らかにする研究である。

<本年度の研究>

学習能カの形成過程を授業を通して明らかにする。

1. 前提能カを測定する方法,手順を具体的な教材に即して明らかにする。

2. 子どものありのままの前提能力と学習目標(内容)とのずれを修正していく学習プロセスを明らかにする。

3. 学習目標(内容)にかかわる,子どもの思考過程(課題解決過程)の実態を明らかにする。

4. 個々の子どもの思考過程(課題解決過程)に対応た指導のあり方を明らかにする。

2. 研究協議の課題について (本年度総会から)

本年度は次の研究課題について研究協議がもたれる。

・ 教育相談
・ 子どもの発達と教育
・ 算数・数学,英語
・ 生徒指導(進路指導)

なお51年度の課題は,次のようにきまった。

・ 情報・図書資料
・ 情報処理能力と授業
・ 芸術,国語
・ 特別活動(進路指導)

3. 研究発表 (本年度総会に引続き開催)

課題部会「学習内容の構造化」(発表数17)
第1部会「学習指導」(発表数16)
第2部会「学校経営」(発表数15)
第3部会「子どもの理解と教育相談」(発表数16)

発表の多くは,研究報告集第25次年報や各教育センターの紀要に掲載されているので内容は省略したい。

4. 研究成果の刊行

(1) 研究報告集第25次年報(最新刊)
特集 「学習内容の構造化」 東洋館
(2) 発達の特徴に応ずる教育(年報)
(3) 授業研究の方法(年報)
(4) 教育経営の実践課題
(5) 学級担任による教育相談の展開
(6) 学習指導のシステム化

そのほか,数種の新刊書が発行されているので,研究のためにぜひご購読をおねがいしたい。


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