福島県教育センター所報ふくしま No.23(S50/1975.10) -009/026page
このように考えてくるならば,事前に何の準備もなく,ただ単に,子どもに自己評価をやらせるだけ,といったやりカは,このような自分で自分の心をあざむくといったことが入りこみやすいという点において,かなり危険なものと言わざるを得ない。子どもがおこなう自己評価がだれにでもみとめられるような現実的な基盤の上にたっておこなわせるためには,子どもが内省するだけでは得られないようたもの,すなわち,教師や級友からどのように見られ判断されているか(資料3・4・5の評価欄),級友と比較した場合における相対的位置,スポーツ・テストやスキル・テストの結果などのように絶対的尺度上において示された位置などといった情報を提供することが特に重要であろう。
また,子どもがおこなう自己評価がだれにでもみとめられるような現実的な基盤の上にたっておこなわせるためには,教育機器の活用(資料6)により,子どもがこれから学習しようとする運動のねらい・やり方や技能のポイントについての情報を簡潔明瞭に提供したり,運動学習中の子ども自身の姿を画面に写しだしたり,また,スローモーションや静止画像として情報を提供したりすることも重要であろう。