福島県教育センター所報ふくしま No.24(S50/1975.12) -007/026page
(6)中音域からの指導
たて笛の導入期の指導で大切なことは,どの音域からはじめたらよいかです。はじめて笛を持った場合,笛を支えるのが精―杯で,指が硬直しやすく,運指が鈍くなりがちです。音穴をカバーする指が少ない音域からはじめるのが―番よいようです。
・日本の音感にもたて笛の指導をとおしてふれさせたい。
・タンギングをつけるとアクセシトの吹き方になりがちですので,静かにやさしくゆっくりと呼気させる。・「いちぽんぽしみつけた」をA,Gで吹かせてみる。
・次にH,A,Gの音を美しく吹けるようになったら,3音で即興的にふしづくりをする。また教師の示す,3音内のふしを模倣奏させる。(教師は児童の後から吹いてやる。その方が児童の注意が集中する。)
・次の曲を輪奏してみましょう。1音1音を大切に吹く・指番号(たて笛に少しなれてから指番号を教える。)
・C,Dの練習(Dの音は一番不安定な音なので,特に呼気を強くしないように注意して吹かせる。)
・C,Hの練習(指のチェンジが難しく雑音が入りやすいので,1,2の指の動きを同時にできるようにする)
・和音奏をとおして,3度のひびきを感得する。(特に3年生ではD→Gまでの運指を徹底するとともに,美しい音で平易な旋律を吹けるようにしたい。)
・レガート奏,これまでノン・レガート奏(1音1音にタンギングをつける。)吹き方であったが,初歩の段階からレガート奏ができるようにする。音楽に表情をつけることになり,音楽語法として他の旋律にも応用できるようになる。語法を豊かにすることが,音楽活動をより主体的に創造的にすることです。
・たて笛奏にリズム伴奏を工夫する。低音城の指導
中音域が十分吹けるようになったら,低音城に入る。呼気をさらにやわらかに,静かに吹かなければならない
・特に最低音Cが出しにくいので3年生では下付旋律に出てくるのみにとどめること。
4.おわりに
以上3年生のたて笛の指導について述べましたが,留意点として次の3点をあげておきます。
(1)笛を大切にする習慣をっける。(取り扱い等も)
(2)コントロ―ルされた呼気でピッチを合わせること。 同―メーカーの笛をそろえることも大切なことです。
(3)単旋律を吹く時はできるだけ伴奏をつける。