福島県教育センター所報ふくしま No.24(S50/1975.12) -017/026page

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情報化時代における学校図書館のあり方

ー教育研究資料の管理を中心としてー

研究・相談部 桜 井  操

1.はじめに

通路まであふれる図書類―機能果たせません―蔵書で満ぽいの県立図書館」という夕イトルの新聞記事があった。それによると,図書,雑誌,新聞,公報関係など合わせて現在保有数23〜4万冊にのぽっている。当初は毎年ふえ続けても20年間はその機能をじゅうぶん果たすものと予想されていたが,情報化時代となり,さらに出版ブームなどが拍車をかけ,年間1万冊近くも蔵書が確実にふえて麻痺状態に至ったものといわれる。

このように,最近各種の情報があらゆるところに氾濫し,われわれの日常生活の中にも情報は容赦なく入りこんでくる。

教育の場も同様,あらゆる情報が,電波はもちろん,図書,研究報告書,実践記録,新聞,雑誌,視聴覚教材などの形(資料)をとって流入している。

ところで,現在要求されている図書館の機能は,各種の資料を収集保管し,利用者をたんに待っているというだけではいけないのである。むしろ積極的に集めた情報を必要とする人々に伝達することである。

とくに,「学校図書館」では,教授・学習活動に必要な情報を収集し,整理し,利用しやずく処理し,適切な方法で蓄積して, 「児童または生徒および教員の利用に供することによって,学校の教育課程の展開に寄与するとともに,児童または生徒の健全な教養を育成する―学校図書館法第2条―」ことをねらいとしている。

また,昭和46年度から改訂実施された学習指導要領では,学校図書館の利用指導を特別活動(学級指導)の内容としてとりあげ,積極的に学校図書館を利用し,情報化時代に対応できる情報処理能カの育成を目指しているのである。

しかしながら,資料の構成を図書資料のみに偏する従来の学校図書館では,上記の役割を満足させることができなくなつている。そこで図書資料だけにとどまらず,

 ・学校経営全般に役だつ資料
 ・教育課程に役だつ資料<> br>  ・職員の研究・研修に役だつ資料
 ・児童・生徒の学習に役だつ資料

などを収集・整備し,学校図書館法並びに改訂学習指導要領の趣旨にそうよう努めることが新時代に即応する学校図書館の急務といえよう。

したがって,学校図書館は今までの―般的な学校図書館としての姿を保持しながら,きらに学校教育に必要な教育資料を具備した資料室(資料センター)としての体制が要請されるのである。

 2.学技図書館の仕事

資料室としての学校図書館の仕事についての―例をあげるとおおよそつぎのようになる。

学校図書館の仕事

 1)研究紀要,研究報告書など
 2)新聞,雑誌,図表,グラフ,児童・生徒作品など
 3)冊子目録・カード目録
 4)蔵書押印・整理番号付け・ラぺルはりなど
 5)書架・キャピネット類などへの収納
 6)利用者が望んでいる資料について調査や利用について協力すること

なお,ここでは教育研究資料並びにその他の教育資料(インフオメーション・ファイル)の管理に主眼をおき述べることにする。


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