福島県教育センター所報ふくしま No.24(S50/1975.12) -019/026page
されている。たとえば資料カードを必要枚数だけ複写したり,ハンドソートのパンチカード(へり穴カード(図―3))にしたりする。
また,データスコープ(テレビ型入出カ装置)などを使ったコンピュータによる検索方法も実化とされている。しかし,それらの方法のどれをとつたらよいかは,学校における施設・設備,要員,経済性などによって決まることである。(3)インフオメーション・ファイルの管理
図書以外の資料のうち,つぎのような資料は,バーカル・ファイリング・キヤビネット(立体式整理容器)で整理する方法がとられている。
○新聞・雑誌の切抜き ○パンフレット ○絵葉書 ○図表・グラフ・統計 ○児童・生徒の作品 ○絵画・写真
このように整理された資料は,利用面からみて,インフォメーョシ・ファイルと呼ぼれ,図書資料や教育研究資料で得られない。最新の情報を利用できる速報性を生命とする機能を有している。
したがって,蔵書冊数の少ない学校などにおいてはインフオメーション・ファイル資料の収集・整備に積極的にとりくみ,必要に応じて,ただちに利用できるようにしておくことが望まれる。
1)切ぬき(クリッピング)
新聞は1週間分を新聞架に展示し,その後,研究・教授,学習に役立ちそうな箇所を青鉛筆でマークし て,クリッピングする。
ながく保存すべきものは台紙をつけ,件名などを記 入して分類する。分類方法は教育研究資料と同様と し,フォルダーに入れて保管する。
目録は,件名カードをつくり,図書の目録や資料目 録のなかにくりこむ,この場合色カードを用いる。
2) パンフレット
パンフレットは左肩に件名,右肩に所有ゴム印,左下に受入年月日の記入をする。
使用のはげしいものなどは,パンフレット・バインダーをつけ,キヤビネットに保管するか,ボックスを用意し,背に分類とその前に「P」とつけ資料を入れ,書架に配列する。
3)雑 誌
雑誌は,―般にクリッピングしないで保存する。受入れは,雑誌受入カードに受入れ年月日,購入・寄贈の区別をして記入する。
雑誌の表紙に受入年月日の入ったゴム印を押し雑誌架につぎの号がくるまで展示する。
また,とじ込みは展示が終えたあと1冊,部厚いものは2冊,あるいは,それ以上にまとめ,合冊製本をす。
雑誌の内容のうち教育研究資料としての価値とまとまりのあるものほ,その箇所を別とじして,教育研究資料としてとり扱う。他は主題ごとの目録は作成しない。
配架は誌名の五十音順またほ教育研究資料の分類に合せて配列する。
おわりに
以上教育研究資料とインフオメーション・ファイルの管理を中心に記述したが,なんといっても,学校図書館の今日的役割は,「効果的な資料の活用」にある。
ところで,「子どもたちに読書の習慣をつけさせる時期は,個人差があるものの基本的な宇や言葉を覚えた小学校3,4年生ごろが最適だといわれている。この時期は情緒が発達し,理知的になってくる人間の第二の成長期でもあり―生ともにする気質や人格の芽生えもある。この時期を過ぎると本当に読書に興味を持たなくなる可能性もある」と指摘する人もいる。
今後コンピュータの―層の発達により,教育のしかたもずいぶんかわり,週2,3日学校で,あとは家庭でテレビや,コンピュータによる勉強なんていうことになるかもしれない。
たとえば,算数,数学の分野においては,基礎原理は学校でじゆうぶん勉強し,計算については,人間の頭を使わずコンピュータにやらせその分だけ先に進んだ勉強をするような時代がくるのではないだろうか。
しかし,このように勉強の方法が変っても,図書などの活字から,情報を修得する方法は変らないだろう。むしろ速度を主体とする電波情報などによる教育よりも,歩くように,たちどまる位の速さで進む教育,すなわち地味で,確実な方法により子どもたちの知織を広め,思索カ,判断方を高め,情操豊かな深みのある人間に育て,さらに読書カと読書を愛好する念を養い,これを終生の習慣として生活を豊かにしていく教育が―層要請されよう。このためにも,学校図書館の管理に努め,図書館への関心を高めていく姿勢が必要ではなかろうか。
参考文献
○目で見る学校図書館のしごと(図書館教育研究会)
○昭和48年度研究報告書(北九州市立教育研究所)
○事務管理(―橋出版)