福島県教育センター所報ふくしま No.24(S50/1975.12) -021/026page

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2.研究の実践

(1)協カ教授組織による体育科学習指導計画(展開 案)の作成

協カ教授による体育の指導は,独自の授業形態と教師の役割分担を持ち,教材の組み合わせ,施設, 用具の活用等についても単―教師による単―学級の学習指導には見られない特色をもつので学習指導計 画の自校化は必須の要件である。

本校では,市の広域カリキュラムをもとにして,各学年ごとにつぎのような指導計画を作成した。

1)領域別指導内容―覧表
 2)年間教材配当表
 3)月別時間配当表
 4)各時間ごとの展開集

上記のうち1)〜3)については広域カリキュラムを準用して作成したが,4)の毎時間の展開案は,下記 の様式により教師の役割分担と指導のねらいを明確 にし,いつでも,誰でも活用できるよう配慮して作 成したものである。

○展開案の例(3年7月の指導計画第1時)

展開案の例の図

<注>

○学習形態にっいては児童集団の編成により大,中,小とした。

  大二大集団……学級規模より大きい集団
  中二中集団……l学級程度の人数の集団
  小=小集団……l学級より,トきい集団

○全体指導の役割分担は,教師の特性,教材研究等に 応じて交替することとし弾カ的に分担を受けもつよ うにする。

○学習活動内容には準備運動,整理運動,次時の予告等は常時の活動として展開集から省略した。

○教授過程における学習形態にっいて学習の効率を考え,どの内容をどの形態で指導にあたるかを検討し弾カ的に取り扱うことにより効果的な指導がなされるよう配慮した。

(2)学習訓練の徹底

協カ教授による合併体育を進める場合,教師の役割分担が明確にされることほもちろん,教材の内容と施設,用具の数量を勘案した学習形態(大,中,小集団)の編成やそれらの集合,分解のし方は,授業の効率を左右する大きな要因となる。また,集団の集合,解散,待機のし方,場所の移動などは短時に行う必要があるので、次のような全校統一の学習訓練を実施し、授業の効率化をはかった。

教師の指示  児童の動き
○集合整列○前にならえ○なおれ○説明をきく○場所の移動○学習中の合図
「ピー」手を高くあげ隊列を指で示す 指2本 指4本「ピーピッ」「ピー」「腰をおろせ」「○○に移れ」すべて呼笛
2列縦隊4列縦隊説明者の方に体を向け一斉に腰をおろし両手でひざを抱えて注目起立し移動する方向に向きを変えかけ足で集団ごとに移動する

また、学習にのぞむ児童が常に頭におくこととして次のことを理解させ習慣化するよう訓練した。

習慣化訓練

(3)授業研究

研究テーマに迫るため,全学年,全領域にわたって広く研究を進めることは当然であるが,授業研究については学年団ごとに児童の実態に即して,つぎのような研究テーマおよび重点領域を設定した。


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