福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -007/026page

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グラフ2

電磁石の磁カの強さ

○ねらい

電磁石の磁カは,コイルに鉄心を入れたときの方が入れないときよりも強いこと,コイルのまき数が多いほどまたコイルとの距離が近いほど強いことを理解させる。

○実験TV

鉄心を入れたときと入れないときの磁カの比較,距離とコイルのまき数を―定にする。

距離4cm,200回まきコイル使用

鉄心をいれないとき 鉄心をいれたとき
      12度           78度

コイルは直径6mm,長さ4Ommのポリエチレンパイプを使用したが乾電池を使用した場合,まき数がちがっても―定の電流が流れるように,フォルマル線の長さを―定にした。あまっ たフォルマル線を写真のようにたばねてセロテープでとめておくと便利である。

写真4
写真4

○実験V

電磁石のコイルに―定の電流を流し電磁石を磁針に近づけ磁カの変化をみる。

写真5
写真5

電流0.5Aを流して測定したものが次の表である。

表ー2
   距離cm
巻き数
2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
100回まきのコイル 85 72 46 23 15 9 6 3 2 1
200回まきのコイル 87 78 64 44 28 16 11 8 6 4
300回まきのコイル 89 84 74 58 40 28 18 14 9 6

表中の数字は磁針のふれの角θ

この実験では,目盛板を透明な塩ビやアクリル板にし方位磁針計透明な目盛板のものを用いると,O・H・Pで投影することもできる。

グラフ3

○実験VT

磁針から電磁石までの距離を―定にして,電流の強さと磁針のふれる角度と電流の関係をみると次の表のようになる。

表ー3
   まき数

電流

100回まき 200回まき 300回まき
200mA 52(1.28) 32(0.62) 62(1.88)
400mA 68(2.47) 51(1.23) 74(3.49)
600mA 76(4.01) 60(1.73) 78(4.70)
800mA 79(5.14) 67(2.35) 81(6.31)
1000mA 81(6.31) 72(3.07) 83(8.14)

表中の数は振れの角θ ( )内はtanθ

この実験で注意しなければならないことは,磁針は必ず南北方向にむけて机上におき,電磁石は,東西の方向から磁針に近づけなければならない。又,磁針のそぱに鉄製の器具(スタンド,電源装置等)をおかないようにする。

グラフ4
グラフ4

グラフ5
グラフ5

4.おわりに

電流による磁界のはたらきをしらべるには,このほかカ学的な方法もあるが,ここでは簡易磁カ計をもちいた実験法を紹介したわけである。この実験を全部児童にさせることはもちろんできないが,この道具の特性を参考にして授業に役立てていただけるならば幸いである。

参考文献・小学校理科指導書理科編
・小学校理科学習指導の改善に関する研究
                     (全理セ編)

・教育物理実験(聖文社)
・小学校新指導要領の事例理科編(明治図書)


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