福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -017/026page

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実験学校の研究のあゆみ

近接学年合併による体育科協カ教授

安達町立下川崎小学校長 高 荒 敏 一

高福島県教育センター研究・相談部長 星     忠

1.学技の実態

本校は,過疎化現象がみられる農山村地帯にある。保護者の90%以上は,農業経営者であるが,割合に出稼ぎが少なく,生活の安定がみられる。教育的関心も強く学校に対する協カ体制がよい。

1学年1学級(計6学級),児童数86名,職員数8名(男6名,女2名)という小規模校である。

2.研究テーマ

小規模校における学習指導の改善

「教材傾城の特性に応じた協カ教授過程をどのようにしたらよいか」

2.研究内容

(1)協カ教授年間指導計画の改善と授業研究の進め方。

(2)段階的な教授過程における複数教師( T,・T。)の役割とその活動のあり方。

(3)教材の特性や能カ差に応じた学習集団の編成。

4.研究の概要
 ー「協カ教授年間指導計画の改善」を中心にー

(1)協カ教授年間指導計画作成の観点

 ○管内標準カリキュラムをもとに,近接学年合併体育(協カ教授)の実施に応じうる指導計画とする。
 ○指導目標は,合併近接学年の上学年におく。ただし次の点に留意する。
  ・ダンス領域はA,B年次とし2年間で指導する。 ○1単位時間を40分とし,年間時数は,第1学年102時間,第2学年以上105時間とする。
 ○単位時間に扱う教材数は,2教材を原則とする。ただし低学年は2以上の場合も考慮する。 ○第1学年の第1学期は,原則として合併授業はおこなわない。

(2)指導計画の作成

教材領域毎に目標と内容の系統性をおさえ,充実した協カ教授をすすめるため,次の計画を作成した。

 ○領域別指導計画
 ○年間指導計画
 ○月間時間配当表

授業風景

 ○月別指導計画
 ○授業前,後ミーティング(計画と反省)

※(3)「授業案作成の手順」参照

(3)授業案作成の手順
 (低学年体育「ふみこし」を例に)

 ○領域別指導計画によって,とび箱運動の観点から目標と内容を明確におさえる。

 領域別指導計画(器械運動)

領域 教材(時間数) 目  標 学習内容

またぎこし

(2)

・ひざくらいの高さの
 跳び箱で安全にまた
 ぎ越しができるよう
 にする。
・軽い助走をし、右足
 でも左足でもふみ切
 りバランスを保って
 またぎ腰ができるよう
 にする。
・ひざぐらいの跳び箱
 をこわがらないで、リズミ
 カルにまたぎこす。

・連続しても調子よく障害物
 をまたぎ越す。

ふみこし

(2)

・ひざぐらいのとび
 箱で、ふみ越しが
 できるようにする。
・右足でも左足でも
 ふみ切りなまらか
 にふみこすっことが
 できるようにする。
・強くふんで高くと
 とべるようにする。
・強くふんで遠くと
べるようにする。
・ひざ位の高さの跳び箱で、
 調子よく安全にとぶ。

・右足でも左足でもふみ切っ
 てとぶ。

・2以上の跳び箱を連続し
 てふみ越しする。

腕立て
とびあがり
とびおり

(4)

・助走、両足ふみ切
 り、腕立て飛び上
 がりが調子よくで
 きるようにする。
・片足や両足でふみ
 きってとびおりが
 安全にできるよう
 にする。
・軽く助走し、両足でふみ切る
・両手をるいて足先からとび
 上る。
・1歩歩いてとびおりる。
・助走、ふみ切り腕立てと
 び上がりとびおりの動作が
 とぎれないようにとぶ。
・動作の大きいとびおりをす
 る。

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