福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -020/026page

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5.結果と考察

(1)領域別指導計画,年間指導計画,月間時間配当 表,月別指導計画等の作成により,指導目標と教材 の内容がはっきりした。さらに―時間ごとの授業の 流れ,前後の授業,およびその関連が,誰にでもひ とめでわかるようになった。

(2)事前,事後に,ミーティングすることで,―時間 ごとの複数教師の役割,分担が明確になった。しか も,「T1が主で,T2が副」ということがなくな り,どちらも「主」という考えのもとに授業がおこ なわれ,児童の指導が効率的におこなわれるよ引こ なった。

(3)上記の(1),(2)の研究にもとづく合併授業は,単学 級における指導上の困難点を打開し,授業のむだが なくなり,学習の効率化が進められた。

(4)近接学年合併授業では,指導の場に応じて,さま ざまな集団構成をし,個別化をはかってきた。その ため,児童の意識は,学年の枠を越え,より高い目 標に目を向けるようになった。―方,複数教師が指 導することにより,児童ひとりひとりの能方をは握 し,適切に指導することができた。(2個学年合併 しても,最高29人である。)

(5)本年度の研究の中では,近接学年合併授業におけ る評価の問題が解明できなかったが,これは今後の 大きな課題になるであろう。

6.今後の課題

これまでの研究の中で,いろいろな問題が出されている。以下,いくつがの課題をあげてみたい。

(1) 協カ教授による指導においては,指導にあたる教 師(複数)がよく目標をとらえ,それぞれの役割, 分担を明確にし,授業が的確に進められるようにし なければならない。そのためには,授業前のミーテ ィングが欠かせない。また,指導計画の改善,充実 という点から,授業後のミーティングもたいせつで ある。したがって,ミーティングの時間確保が,重 要である。

(2)ミーティングを充実させるために,その持ち方, 記録のとり方などについて,さらに検討を加える必 要がある。

(3)本校は,体位,体カともに県平均を下まわってい るので,体カの向上をはかるため,体育科における 「体操」の位置づけをさらに明確にし,実践してい きたい。

(4)現有施設設備のじゅうぶんな活用をはかるとと もに,教師の創意工夫による自作教具作りを進めた い。

(5)学習カード,自己評価カードなどを積極的にとり 入れ,協カ教授における評価をさらに検討していき たい。


本年度の研究・研修のあゆみ

当教育センターでは,>教育研究の機関であるとともに県内教職員の研修の期間であり,教育に関する奉仕活動の機関であるという3つの性格をもっている。

ここに,昭和50年度実施した事業概要とその課題等を掲載し,将来への一歩前進の資料としたい。

◇研究・相談部◇

1.教育研究の状況

本年度は,これまでの研究の発展や継続,および統合をはかるなどして, 「学校経営」 「学習能カ」「学力検定問題」 「人物画テスト」の研究をおこなってきた。

(1)学方向上をめざす学校経営の研究

1)校内研修に関する研究の実施

ア 校内研修の組織と運営上の諸問題の関係
イ 事例的な方法による追跡的な調査

2) 協カ教授に関する研究

ア実験学校による実証的研究の実施

 ・福島市立吉井田小学校 校長 三瓶善治 ・安達町立下川崎小学校 校長 南荒敏― ・指導計画の検討改善,合併・複数授業の研究

イ本県における教授組織の実態調査の実施
 ・実態調査(全小学校)の実施と考察

(2)教科における学習能カの発達と授業に関する研究

1)前提能カ調査の実施
 基本的な題材にっいての前提能カの調査とそのとらえ方。 (音楽科・家庭科)
2)思考過程の実態をあきらかにする研究の実施
 学習目標とのずれを修正していく学習プロセス,および課題解決過程。(社会科・家庭科)
3)研究対象教科と研究協カ員の委嘱


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